「女性活躍推進」が言われる時代で、共働きの夫婦も当たり前になってきたが、家事の分担はちゃんとされているのだろうか。

近頃は、家事をするパパを「カジメン」など呼んでもてはやしているが、一般社団法人ストレスオフ・アライアンスが調べたところ既婚有職男性の約8割は平日・休日ともに家事を1時間もしないことが分かった。

一方、既婚有職女性の3割は、平日も休日も「1~2時間未満」を家事に費やしている。
また休日に「3時間以上」家事をする男性は2.4%しかいないのに対し、女性は7倍の16.8%もいて、共働きであっても家事を負担するのは女性だという現実が見えてくる。

今年の3月7~17日に、全国の20~69歳の既婚有職男女それぞれ7万人に行ったインターネット調査を集計したデータ。「ストレスオフ白書2018-2019」と題して、「睡眠」「食習慣」といったテーマに続き、12月4日に第3弾となる「家事時間」の集計結果を公開した。

さらに、今回の集計結果では、女性の負担の理由の一つとなっている“ある家事”についてのデータがあった。

下の表は「○○をする時間」を集計したものだが、一体何か分かるだろうか?
男女の結果はご覧のようにほぼ逆転している。
「ほとんどない」という男性は39.4%で、逆に女性は「30分~60分程度」と「1時間以上」の合計が39.2%となっている。

実はこれ、家庭の中の「見えない家事」に充てる時間を男女別にまとめたものだという。

「見えない家事」とはどういうものなのか、ストレスオフ・アライアンスの担当者に聞いてみた。

夫がやらない「見えない家事」とは?

――「見えない家事」とは何のこと?

洗濯する前の「洗剤の詰め替え」や、掃除した後の「掃除機のごみ捨て」、また「シャンプーの交換」や「子どもの服の用意」など、一般的な家事に付随していながら一緒には行われず別の手間となる家事のことです。

男女別 料理のための準備時間

上の表は「見えない家事」と同様に、「炊事」に付随しながら別の手間となる「料理のための準備時間」を男女別で集計したもの。
最近は、料理が趣味の男性も増えているようだが、「献立決め」や「買い物」などの準備は49.3%の男性が「ほとんどしない」と回答している。

家事をしないのは男性だけのせいではない!?

――そもそも、なぜ男性は家事をしないのか?

私たちの他の調査項目では、男性は趣味や自分の時間を使いがちで、男性の家事分担もまだまだ少ない傾向にあるのは明らかです。
しかし、男性の問題だけではないと考えています。
日本人女性は負担を自分で抱え込んでしまう気質があり、さらに頼み下手なため、さまざまな“シワ寄せ”を受けることに慣れてしまっている傾向にあります。
これが男性が家事をしないことにつながっている可能性があります。


――なぜ男性は「見えない家事」もしないのか?

女性の家事時間に対する、男性の「情報リテラシー(知識や能力)」が低いことが問題だと考えます。
掃除や洗濯、料理などの分かりやすい家事に関しては男性も把握していると思いますが、実際は「一般の家事以外の家庭の雑務」や、料理時間以外の「献立、買い物の時間」の負担も大きいのが現状です。
こういう情報を理解している男性はあまりいないようです。

夫に家事をさせる3つのポイント

――夫に家事をさせるにはどうすればいいのか?

アドバイスのポイントは3つあります。

1、家事時間を可視化する
実際は、女性自身もどの程度の時間を家事に使っているか、分かっていないのが現状ではないでしょうか?
まずは家事全体にかかっている時間を自分で把握しましょう。
自身が苦手なことや負担になっている家事を知ることも重要です。

2、コミュニケーションで伝える
毎日の生活の中で、いかに家事が負担になっているか、何が大変かをきちんと伝えましょう。
話し合うことで家事だけでなく、自分がストレスになっていると感じている夫婦の問題を解決できた例はたくさんあります。
ただ、ストレスを抱えている夫婦は「会話不足による誤解」が圧倒的に多く、相手がすぐに理解してくれたり行動に移してくれることは難しいかもしれません。

3、ベイビーステップで進める
最初から相手に100%を求めると、相手も自分もストレスを抱えてしまいます。
家事分担はベイビーステップで小さなことから徐々に、場合によっては数年がかりのプロジェクトと捉えてトライすることをお勧めします。
最初は大変かもしれませんが、男性も自身の役割が増えてくると、自分の中で家事の優先順位が上がり、自分ごととして捉えられるようになるでしょう。

――このような家事時間の長さが、女性の社会進出を困難にしていると言える?

社会進出との関連は難しいですね。
私たちは、社会との繋がりとは、自分が承認されている「居場所作り」と考えています。
「仕事(職場)」だけではなく、「趣味」も「家庭」を支えることも「子育て」も同じです。

ただ、家事だけでなく、ライフステージごとに負担が増え、さまざまなシワ寄せを受けがちな女性には時間が足りないことは事実。
女性たちが、自らのために使える時間が確保できることで社会との繋がりを持つチャンスが増える可能性はあると思います。


――女性が社会で活躍しやするためには何が必要なのか?

私たちが考える、女性の活躍で実現できる社会生産性(仕事、家庭、子育てなど)のために重要なことは、「時間の確保」と「ストレス性疲労との向き合い方(ストレスオフ行動)」です。
「時間の確保」の問題については前述したとおりで、もう一つの問題は「現代女性はとにかく疲れている」ということです。
また、自分では疲れていることに気づかなかったり、あるいは間違ったストレス・疲労解消法でさらに疲れたりして、心身共に疲労状態に陥ってしまう「ストレス性疲労」を抱える女性が増えています。
重要なのはオンとオフのメリハリで、特にストレスオフを意識した休日の過ごし方です。
既婚有職者の女性は平日よりも休日に負荷がかかる傾向にあるため、「休日は、きちんと休む」という意識を持って休日を過ごすことで、行動意欲が変化し、より活動的に毎日を過ごせると考えます。


女性が社会進出する中で、既婚女性の負担が増えてしまってはいつかはパンクしてしまう。「見えない家事」のような言葉通り気づきにくいことを男性はもっと理解しなければいけないし、夫婦間でのコミュニケーションも必要。
こうしたことが浸透していくことで、本当に女性が活躍できる時代になっていくのではないだろうか。

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