五輪資金提供”疑惑” ついに逮捕者が

東京オリンピック組織委員会の元理事の会社が多額の資金提供を受けたとされる問題が、事件へと発展した。

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受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたのは、組織委の元理事・高橋治之容疑者(78)。

これは、17日正午ごろ、自宅を出発する高橋容疑者が乗っていたとみられる車だ。

そして、大会スポンサーで、紳士服大手「AOKIホールディングス」の前会長・青木拡憲容疑者(83)が贈賄の疑いで逮捕された。AOKI側からは、他にも2人の逮捕者が出ている。

数々のドラマを生んだ東京オリンピックの関係者が逮捕される異例の事態に、東京都の小池知事は17日午後「大変に残念に思っています。東京都として、これからの動きを注視したいと思います」と心境を語った。

賄賂5100万円か 「全くない」

高橋容疑者をめぐる「金の流れ」とは、どのようなものなのだったのか。2017年、高橋容疑者が代表を務める会社が、AOKIとコンサル契約を締結。その年の10月から、2022年3月までの間に、合わせて5100万円を受け取ったとされる。

当時、高橋容疑者は、職務に関する金銭の受領が禁止される「みなし公務員」の立場だった。それにもかかわらず、スポンサー契約などに関して便宜を図る見返りに、青木容疑者らから賄賂を受け取った疑いがもたれているのだ。

AOKIホールディングスは、2018年に東京大会の「オフィシャルサポーター」契約を結び、エンブレム入りスーツなどの公式商品を販売。さらに日本選手団が、開会式などで着用する「公式服装」の制作も手がけていた。

こうした問題が発覚した2022年7月、FNNは高橋容疑者を直撃。記者が、便宜の有無やワイロ受領の有無について問いただすと、高橋容疑者は「全くないです。僕の本業、本業」と疑惑を否定していた。

「電通スポーツ村のドン」と「高橋案件」

電通の元専務で、「電通スポーツ村のドン」と呼ばれていた高橋容疑者。サッカーW杯の日韓大会開催に関わるなど、その「影響力の大きさ」は以前から知られていた。

高橋容疑者について電通の元社員は、「すごい迫力のある人だったと印象に残っています。スポーツ界にも、スポンサーサイドにも人脈がすごかったです」と打ち明けた。

さらにこの元社員によると、電通内には、高橋容疑者が直接スポンサーの幹部と交渉する「高橋案件」なる言葉があったという。元社員は、「電通内ではこの“高橋さん案件”を取り扱う時は、普通以上に注意して扱いなさいと言われていた」と明かしている。

米メデイアに「五輪延期」発言で波紋も

影響力はこんな所にも見られた。コロナ禍が拡大の一途をたどっていた2020年。五輪延期の正式決定がなされない中で、高橋容疑者は米メディアに対して、「現実的な選択肢は1年か2年延期することだ」と発言したのだ。

当時の組織委トップだった森喜朗元総理が記者会見を行い、「(高橋容疑者は)とんでもないことをおっしゃったなと。高橋さんと電話で話しました。大変申し訳ない(と言っていました)」と火消しに走る事態となった。

今回の高橋容疑者らの逮捕を受けて、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は、「マスコミ報道以上のことを全く把握していないが、これが真実であるとすれば極めて残念である」とコメントした。

また、贈賄容疑で3人の逮捕者を出したAOKI側は「本件事態を厳粛に受け止めており、引き続き、当局の捜査に全面的に協力してまいります」とコメントしている。

(「イット!」8月17日放送)