まるで魔法?ついつい見入ってしまう不思議なオブジェ

今年も残すところあとわずか。
仕事納めに向け、日々忙しく駆け回っている人も多いかと思うが、そんな時だからこそ欲しくなるのが“癒し”だ。

そんな中、ついつい時間を忘れて眺めたくなる、不思議な癒し系オブジェがクラウドファンディングサイト「kibidango(きびだんご)」に登場した。
それが、アメリカ生まれで現在“日本初上陸”決定に向けてプロジェクト中の「Slow Dance(スローダンス)」だ。

このSlow Dance、特徴はその「動き」。まずはどんな動きを見せてくれるのか、ぜひ動画で確かめてほしい。

一見シンプルなフォトフレームのように見える37×32cmサイズの額縁の内側には、ぐるぐる巻かれたコイルとクリップが設置されている。

額縁に囲まれた風景は一枚の絵のようだが、フレーム裏のスイッチを入れると、クリップにセットされた植物たちがゆらゆらと動き出す。
その動きはまるでハイスピードカメラで撮影したかのように、スローモーションになっているのだ。

額縁の中だけ時間の流れがゆっくりになってしまっているような、なんとも不思議な気持ちになるこのオブジェ。
この魔法のような動きにSNSでは「神秘的でキレイ」などのコメントが挙がっていたが、一体、どんな仕組みになっているのだろうか?
開発者でデザイナーのジェフ・リーバーマン氏にお話を伺った。

光と振動が作り出す魔法

――「Slow Dance」の仕組みについて教えてください。


この仕組みは「残像効果」と呼ばれる現象です。1秒間に約50回以上点滅する光を見ると、人間の目ではそれが点滅していると認識することができなくなります。

Slow Danceに設置した物は、目が通常見られる範囲よりも速い、1秒間に80回ほど振動します。そして、光は(常時点灯しているように見えますが)1回につき99%が消えています。光は、1回の振動ごとに約80回ほど点滅し、振動とほぼ同じ位置で起こります。我々はその点滅を見ることはできませんが、ストロボライトに照らされた部分の動きのみを見ることができます。


――どんなものでスローモーションが楽しめる?

最も相性が良いものは、羽毛、花、小さな植物など、わずかな風で振動するものです。
大きさは長さ約20センチ、厚さ5ミリまでのものが入れられますが、多少はオーバーしても動くように設計されています。


フレームの内側にライトが挟み込まれている

実は、ずっと照らされているように見えるライトは、人間の目では捉えられないほど高速で点滅しているのだという。
同じく高速で振動している物体に、このライトが当てられることで、明るく照らし出された瞬間だけが目に飛び込んでくることになる。
「暗くて見えない瞬間」「明るく照らされて見える瞬間」という、本来ならとぎれとぎれの1カットを連続で見ることで、このようなスローモーションに見えるのだ。

Slow Danceは光の点滅パターンを変えることで

・ゆったり動く「Slow Dance」(通常)

・二重になって動く「Double Trouble」

・コマ送りで動く「Pop and Lock」

の3種類の動きが楽しめる。

不思議なスローモーションは、振動と光の点滅のタイミングによって生み出されているため、エアコンの風が当たるなど、外部からの振動が加わると動きに多少影響が出るというが、それも「また違った魅力があり、よいコンビネーション」が見られるとのこと。
ただし、周りが明るすぎると光の効果がわかりにくく、うまくスローモーションに見えないことがあるとのことで、暗めの場所で楽しむのが良いようだ。

きっかけは結婚祝い!アメリカでは50万ドル以上集め大人気に!

実はリーバーマン氏は、世界最大のドキュメンタリー番組である「ディスカバリーチャンネル」で、ハイスピードカメラを駆使し肉眼では見ることのできない瞬間に迫る「タイムワープ 瞬間の世界」を手掛けてきた、視覚効果のプロフェッショナル。

これまでにも自身のスタジオで、様々な視覚効果を使った作品を制作してきたリーバーマン氏だが、「Slow Dance」はその技術を使い、友人の結婚祝いとして作られたのだという。

ダンサー同士の結婚ということで、「並んで踊るもの」がキーワードになったSlow Dance。
しかし、第一号のSlow Danceを見た人が感動している様子を見て、友人だけでなく「もっと多くの人に届けたい!」と商品化を決めたのだ。

開発時のスケッチ

2016年、アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter」に目標7万ドルとして発表されると、わずか30日間で2000人の支援を得て56万ドルを集めたSlow Dance。
購入者からは「プレゼント用に買いましたが、とても気に入りました」「アイデアが素晴らしい!」などのコメントが寄せられ、これまでに世界中で3000台ほどが売れたという。

「何かワクワクするものがほしい人にぴったり」

――どんな風に楽しんでほしい?

私は、Slow Danceは贈り物、特に「何かワクワクするものがほしいと思っているけれど、明確にこれがほしいというのがない!」という人にぴったりだと考えています。Slow Danceをサプライズで見たら驚くこと間違いなしでしょう!
さらに、何か不思議な感動を得るためのイベント、幅広い年代の子供たちが参加するイベントにもマッチしていると思います。みんなで外へ飛び出し、Slow Danceに入れるための新しいものを見つけて、どう見えるのか試すのも楽しいでしょう!


――今回クラウドファンディングが成功したら、通常販売の可能性もある?

もちろんあります(日本の皆さんが興味を持ってくれたらですが)。

クラウドファンディングは目標金額150万円で、2019年1月24日(木)までの開催。
1台31,800円(税・送料込)から購入でき、目標金額達成で“日本初上陸”が決定するという。
13日現在、目標の35%の約53万円が集まっている。

Slow Danceの仕組みについて聞いた際、「本当は、2、3回この商品を試してみるまでは、そのメカニズムを知らないほうがよいと考えています。一度仕組みを知ってしまったら、もう二度と『知らない時の自分』には戻れないですから」と語ったリーバーマン氏。

一見魔法のようだが、実はとても科学的なこのオブジェ。
仕組みは教えてもらってしまったが、実際に見ればきっと新鮮な驚きがあるだろう。ぜひ一度、サイエンスな魔法体験を味わってみてはいかがだろうか。