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お盆休み終盤となった15日の朝、瀬戸内海でクルーズ船の火災事故が発生。

子供3人を含む乗客・乗員16人は全員救助され、ケガ人はいませんでした。

めざまし8は、火災が発生したクルーズ船の船長を取材。緊迫の一部始終を話してくれました。

船長語る事故当日 出港から約30分後に火の手が…

クルーズ船「黒潮Ⅶ」は、15日午前7時すぎ、子供3人を含む乗員・乗客合わせて16人を乗せて広島市から出航。

クルーズ船「黒潮Ⅶ」の船長:
特に今回は海水浴とか子供さんもおられたので、海水浴がメインか、釣りがメインか、バーベキューとかクルージングのようなものでした。

出航から約30分後の午前7時30分ごろ、広島市似島から西におよそ2.3キロの海上でクルーズ船から突然火の手が上がり、船長が海上保安庁へ通報しました。

あっという間に燃え上がったクルーズ船 避難の一部始終

海上保安庁への通報から20分。
現場近くで停泊していた船から撮影した映像を見ると、デッキ部分全体が炎上しているものの、船首や船尾、船の下部も確認できます。

しかし、そのわずか2分後には黒煙で船が見えないほどに。

通報を受けた海上保安庁の巡視艇が現場に到着した、午前8時10分過ぎには、屋根の部分なども崩れ落ち、船尾も原型をとどめないほどになっていました。

海上保安庁による3方向からの放水作業が行われたものの、火は収まる様子を見せず、午前8時40分ごろ、炎に包まれながら船は海に沈んでいきました。

あっという間の出来事、一体どのように乗客・乗員らは避難したのでしょうか?

クルーズ船「黒潮Ⅶ」の船長:
出港して発電機の異変を感じて、しばらくすると白い煙が出てきて、これちょっと問題発生かなと。点検しようかと思ったんですけど、点検する間もなく黒い煙がバーっと突然出だして近寄れなくなってきて。黒い煙がどんどんどんどん部屋の中まで入ってきた。

突然吹き出し、一瞬で船内を満たした「煙」。

クルーズ船「黒潮Ⅶ」の船長:
どんどん火が大きくなって船にいること自体が危ないなと。浮き袋になるような、船体の衝撃を抑えるためのものがあるんですけど、それがそばにあったから解いて海に投げてそれを掴んで、「船から出来るだけ離れてください」と「爆発でもすると、怖いので出来るだけ離れましょう」と言って、皆さん泳いで離れて。すぐ近くで釣りとかしていた船が4、5艇(助けに)来てくれたかな。

海上保安庁に通報した後、すぐさま乗客の救命胴衣の着用を確認、海に飛び込むよう指示したといいます。
子供3人を含む16人全員が海に飛び込んだ後、周辺の漁船などに助けられ、その後、海上保安庁の船に乗りこみ救助されました。

わずか数十分でクルーズ船を飲み込んだ激しい炎。
一瞬の判断ミスが命取りになりかねない状況でした。

クルーズ船「黒潮Ⅶ」の船長:
お客さんに対しては、ひたすら謝るしかない。船長としての責任から免れようと思ってないし、迷惑かけましたとひたすら謝るしかできない。

乗客・乗員16人全員無事 専門家が見る「4つのポイント」

乗客・乗員16人が無事救助された理由について、水難学会の斎藤秀俊会長は4つのポイントがあったと言います。

1.海水温が高かった
火災発生当時の海面水温は約27度、夏の海ということもあり、高い温度だった。

2.避難誘導が的確
煙の向きを考えて、煙の影響が少ない船首側に乗客を誘導していた。

3.複数の救命用具の使用
救命胴衣以外にも、海に避難した乗客に対して、浮き輪も海に投げ入れられた。

4.偶然周りに他の船がいた
火災が起きたクルーズ船のまわりに、偶然他の船もいたため、海上保安庁より先に救助活動を行うことができた。

斎藤会長によると、これら4つのポイントが“すべて”そろったため、今回全員を救助することにつながったと言うことです。

(めざまし8 8月16日放送)