横行する偽サイト…20道府県で確認

肉や米、果物に地酒など、日本全国の特産品が返礼に受け取れるとして人気の「ふるさと納税」。
12月31日の今年の締め切りに向けて、駆け込み納税が急増すると見られるが、ふるさと納税をめぐってはさまざまな問題が指摘されてきた。

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2017年3月、高市総務相(当時)は「返礼品競争が過熱しているという指摘がございます」と発言。
今年9月には、野田総務相(当時)が制度の見直しを検討する考えを示した。

そして11月、高額な返礼品や地場産品以外の返礼品を送っている自治体が今なお91もあったことが明らかになり、制度の見直しが行われることになった。

制度の見直しにより、ふるさと納税には次の2つの条件が定められた。「返礼品の調達価格は寄付額の3割以下」とすること、そして「地場産品」。
総務省は、これを満たさない自治体をふるさと納税の対象から外す方向だ。

「ふるさと納税」2017年度の寄付総額は約3653億円で、これは2013年の約145億円の約25倍となる。
数字からも人気ぶりがうかがえるふるさと納税だが、年内の駆け込みには注意が必要だ。

ここに全く同じ画像を使う2つのふるさと納税サイトがあるが、一方は自治体とはなんの関係もない偽サイトなのだ。

こうした偽サイトは他にも存在し、一見しただけではどちらが本物か分からない。
菅官房長官は12月6日の会見で、偽サイトについて「警察において取締りを行う」と述べている。

(左)偽サイト (右)自治体のサイト

「値引きをしているサイトは詐欺」真偽の見分け方

これは、愛媛県新居浜市が確認した偽サイト。
使われているミカンの画像は、新居浜市の実際のふるさと納税サイトに掲載されているものを無断で使用したと見られている。

(左)偽サイト (右)自治体のサイト

偽サイトの閲覧履歴をクリックすると、「最初の上陸は、すべての製品を表示しませんでした、歴史することができ兆候はありません」と意味不明な日本語の説明が表示された。
また、よくある質問のページには、次のような記述があった。

Q:なぜ安いのですか?
A:海外から直接、現金による大量仕入れを行っているため大幅なコストダウンとなり、皆様がお求めやすい価格が実現できています。
(ふるさと納税の偽サイトより)

返礼品は、ミカンなどの地場産品であるはずなのに、なぜか「海外から大量仕入れ」と謳っている。

こうした偽サイトに寄付をしても、ふるさと納税のメリットである税金の控除は当然受けられない。
また、偽サイトを利用したことで、住所やクレジットカード番号などの個人情報が悪用される恐れもある。

では、偽サイトと見抜くポイントはどこにあるのか?
甲南大学法科大学院の園田寿教授は、「ふるさと納税に値引きはないので、値引きをしているサイトは詐欺で間違いない」と話す。

返礼品は、あくまで寄付に対する謝礼。
税金を値引きすることはあり得ないとし、「10万円が6万5000円に」といった値引きを行っているのは、偽サイトだというのだ。

今年7月、福岡県嘉麻市の女性が偽サイトで7200円を寄付したが、返礼品の牛肉は届かなかった。
被害のあった福岡県では、ウイルス対策ソフト事業者などにサイトの閲覧時に警告文が表示されるよう、警察庁を通じて依頼しているということだ。

「現状はネットショップ」ふるさと納税  問われる“姿勢”

制度のあり方や偽サイトの横行が問題視されるふるさと納税について、慶應大学の土居丈朗教授に話を伺った。


反町理キャスター:
土居教授によると、ふるさと納税はそもそも慈善団体に対する寄付と同様の位置づけで、控除などの措置はあっても見返りはないのが当然のはずであったが、自治体の「ちょっとしたお礼」が次第に返礼品競争になってしまったといいます。

その上で、土居教授は「納税する側は寄付と認識し、自治体側も返礼品はお礼程度にとどめるという基本に立ち返るべき。現状はネットショップになってしまっている」と述べています。

反町理キャスター:
また、ふるさと納税ブームを支えているのは、返礼品を選んだり納税を簡単に済ませることができるサイトを運営する仲介業者であるとしています。
一方で、自治体側は適正な範囲内で、自らの手でふるさと納税を集めるのが本筋であり、丸投げはいかがなものかとの疑問も示しています。


納税する側と受け取る側の姿勢が、改めて問われるべきかもしれない。

(「プライムニュース イブニング」12月13日放送分より)