“サイクリストにフレンドリー”複合施設が話題
年間20万人以上のサイクリストが訪れる「瀬戸内しまなみ海道」。
広島県尾道市と愛媛県今治市を繋ぐ、しまなみ海道の魅力は、なんといっても瀬戸内の多島美だ。自転車から見る景色は、普段とは一味違う魅力を味わうことができる。


この海道の始まりとなる尾道市の新スポットとして多くのサイクリストで賑わっているのが『ONOMICHI U2』。
全国で初めてとなる“サイクリストにフレンドリー”なホテルを中心とした複合施設だ。使われなくなった築70年の海運倉庫を改装。独特のレトロな雰囲気が人気を呼んでいる。

28部屋ある客室に、自転車をそのまま持ち込むことができるのが最大の特徴だ。
自転車に乗ったままカウンターへ。そのままチェックインができるという、まさにサイクリストのための“おもてなし”が味わえる。

サイクルハンガーが設備された部屋もあり、愛車と一緒に過ごすことが出来る。

また、リラックスした時間を過ごせるよう自然素材を内装に用いた客室には、地域の伝統産業を素材に活用した家具やこだわりのアメニティを用意。アウトドアブランドとコラボレーションしたルームウェアも人気を集めている。

隣にあるレストランは食事だけでも利用でき、瀬戸内の食材にこだわったメニューを多く取り揃えている。その中でも、一番人気は生産量日本一で広島の名産「レモン」を使ったピザだ。チーズのまろやかさと、レモンの爽やかな香りの相性が良い。

そして、おススメの逸品は、広島県竹原市の峠下牛を使用したボロネーゼスパゲッティ。じっくりと煮込んだ牛肉と六穀豚の濃厚で、旨みあるボロネーゼソースに仕上げてある。

併設されているバーのカウンターには、なんと、ペダル&サドルのついた「コグ チェア」を設置。ペダルを漕ぎながら、大きな窓越しに広がる尾道水道を眺め、ワインやシャンパン、カクテルなどを楽しむことが出来る。

SHIMA SHOPでは、「What is a 瀬戸内くらし?」をテーマに、ここに暮らす価値を実際の生活からひも解き、日々の暮らしの楽しみ方を発見・発信していく。
オリジナルのマグカップやタオル、マスキングテープなどの雑貨や備後産のデニムなどを使ったアイテムが揃うほか、Butti Bakeryには、牡蠣のオイル漬けや地元産のフルーツを使ったジュースや缶詰、甘酒、チョコレートといったフードアイテムが並ぶ。



さらに、ONOMICHI U2には、世界有数の自転車ブランド「ジャイアント」のストアもある。自転車のプロスタッフが愛車をメンテナンスしてくれるほか、レンタサイクルとしてジャイアント製の最新スポーツバイクやE‐バイク(電動アシストなど)も用意されているのだ。

サイクリストをアシストする旅客船就航へ
さらに、ONOMICHI U2のすぐ近くにある港では、2019年1月から、サイクリストをアシストする旅客船「Cycleship Lazuli(サイクルシップ ラズリ)」が就航。
自転車の車輪を模したアーチがアクセントとなっている、この船の最大の特徴は、ロードバイクなど約50台の自転車を積むことができる点だ。


自転車工具の貸し出しのほか、高級自転車も安心して載せられるよう保護シートを整備するなど、まさに「サイクリストのために造られた船」なのだ。チャーター便のほかにも、尾道―瀬戸田間を定期運航するため、片道だけのサイクリングを楽しむ人や、体力が心配な初心者でも気軽にサイクリングが楽しめる。
ONOMICHI U2の井上善文副社長は「尾道は、海が広がる『しまなみ海道』と山々に囲まれる『やまなみ街道』のクロスポイントにあたり、且つ、日本遺産にも選ばれた箱庭のようなコンパクトな街。そして、一回では堪能しきれない見所が散在するエリアでもある。尾道の独特なカルチャーに触れる街の散策から本格的なスポーツライドまで、自転車を使って土地を巡るという体験を楽しんでいただきたい」と期待を込める。

尾道に出来た注目のスポットは、観光だけでなく、自転車の旅を通してゆったりとした特別な時間を感じさせてくれそうだ。