ボタンが面ファスナー留めになっている服や、肩の部分が開くトレーナー。
これらは、体が不自由な人が着脱しやすい洋服。

どんな服でも“着やすく”。
自由な服選びを実現するサービスとは?

東京都内に住む、吉沢祐輔さん(36)。
1歳の時に、徐々に筋力が低下していく病気「進行性筋ジストロフィー」と診断され、小学6年生から車いすで生活をしている。

現在、服の着替えはホームヘルパーが行っているため、“着せやすい”大きさのものや、伸びる素材の服を選んでいるという。

吉沢さん「自分も介助者も楽な服というのが、結局ポイントになってしまう。どうしても“自分が着たい服”よりも、そちらを重視しないといけない。無意識的に制限をかけていたところはある。見ただけで『この服はだめだ』みたいな」

着たい服を自由に選べない。
この問題を解決するために生まれたのが、既製の服を“着やすく”お直しするサービス、その名も「キヤスク」。

サービス立ち上げ時には、吉沢さんもヒアリングに参加した。

例えばこのパーカー、吉沢さんは腕を上げづらいため、袖に腕を通す作業に苦労するという。

これを「キヤスク」でお直しすると、裾から手首の部分までチャックがついて、開くことが可能に。

これによって、腕を上げずに着脱ができるようになった。

吉沢さん「これはチャックがついてるから、そもそも負担がかからないので、気持ち的にはすごく楽に着られる」

それぞれの体に合ったお直しをするため、多くのメニューをそろえるこのサービス。
お直しするスタッフにも特徴がある。

全国に12人いるお直しスタッフの1人、大阪府に住む芦田絵里さん。

「キヤスク」キャスト・芦田さん「自分も、娘が障害があって、困る部分もいっぱいあったので、お役に立てればと思って」

芦田さんの娘は「二分脊椎(にぶんせきつい)」という病気で、車いすでの生活を送っている。

娘の服を実際にお直ししていたことから、「キヤスク」のスタッフに。
自身の経験を生かして、利用者にお直し方法の提案を行うこともあるという。

「キヤスク」運営 コワードローブ・前田哲平代表「『着にくさ』『悩み』を具体的に自分の体験をもって想像できて、一緒に寄り添って考えられる人がスタッフとしてそろっているのが特徴」

利用者に“寄り添うことができる”サービス。
それが、「キヤスク」立ち上げ時からのこだわりだという。

「キヤスク」運営 コワードローブ・前田代表「本来だったら誰でも普通に、感じる必要がない不自由を感じている方々だと思うので、そういう不自由をきちんと解決しようと思ったら、心づかいとか配慮とか、人間としての優しさとか、そういったものは絶対必要かなと僕は思っているので、そこは必要不可欠だと思ってやっている」