コロナ禍で中古車市場に異変が起きています。

新車よりも中古車が高い。

背景には、急激に進んだ円安も関係しているようです。

◆USS(ユー・エス・エス)九州会場 営業課 古賀勝 課長代理
「こちらがオークションのホールになっています。こちらで車の購入ができるようになっています」

佐賀県鳥栖市にある会員の業者しか入れない中古車オークションの会場です。

毎週土曜日に平均で4000台前後の中古車が集まり、ここから次々に競り落とされていきます。

1台の車が競り落とされるまでにかかる時間はわずか20~30秒です。

その仕組みはー

◆USS九州会場 営業課 古賀勝 課長代理
「各席にこういった応札用のスイッチがあって、こちらを押すことで応札できます」

会場の各席に設けられた手元のスイッチを押すと、5000円が加算され競り落とす仕組みです。

会場以外にもオンラインで参加することができ、この日だけでも約1500人が参加していました。

最近の中古車市場について担当者に聞くとー

◆USS九州会場 新美幸夫 九州会場長
「相変わらず軽自動車も売れているが、走行が少ない、傷がない、状態のいい車が非常に売れている状況。車を仕入れる業者が増えて、車の取り合いが活発になっている」

新型コロナによる自動車部品の生産ラインの縮小や半導体不足により、新車の生産が依然、滞っていることが背景にあります。

会場には、小郡市を中心に中古車販売を手がける「小郡車輌」の末吉正和社長も参加していました。

今年5月に取材した際は、軽自動車を中心に仕入れを進めていた末吉社長ですがー

◆小郡車輌 末吉正和社長
「きょうはワンボックスを。ワンボックスが今高くなってて、なかなか客の要望に添えない展示台数で。きょうは多めに買いにきた」

実は中古車市場は6月ごろからある変化が起きていました。

ワンボックスカーを巡る輸出業者と小売業者の競争の激化です。

◆USS九州会場 新美幸夫・九州会場長
「当然円安も影響しているし、新車があまり海外に出せないというところで、船も空いてるから中古車を乗せて海外に輸出できる」

コロナ禍もあり、家族で移動できる7~8人乗りのワンボックスタイプの車が人気を集めています。

そこへ円安を背景に中古車を積極的に海外へ輸出しようとする業者と日本の小売業者との引き合いが強まり、中古車であっても新車を超える価格がつくこともあるそうです。

末吉社長が狙う車も次々に競りにかかりますがー

◆小郡車輌 末吉正和社長
「頼む…これできてくれ…(スイッチを押すが途中で)…あー…無理だ」

何度か落札を試みますが、そのたびにスイッチを押す動きがとまります。

◆小郡車輌 末吉正和社長
「無理無理無理、お客さんにいくらで売っていいか分からないよ。これもそうだけど、買えない、どう頑張っても、お客さんの売値を超えてる」

30台ほどのワンボックスカーを狙っていましたが、この日の成果は12台。

客が希望していた車種については0台。

これには、末吉社長も頭を抱えます。

◆小郡車輌 末吉正和社長
「100万も200万もお客さんが損するでしょ。ちょっとおかしいよね」

末吉社長の店では、需要が高まるワンボックスカーの専門店を8月3日にオープンしましたが、入荷してもすぐに在庫がなくなるため台数不足への不安は尽きません。

◆小郡車輌 末吉正和社長
「仕入れができないから、客の希望の予算に近づけられない、それが難点。(ワンボックスカーの)値段の高騰は1~2年は続くのではないかと。このまま1台1台丁寧に探していくしかないと思う」

異様な需要の高まりを見せる中古車市場。

関係者は円安が続く限り、この熾烈な争奪戦は続くとみています。

記事 577 テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。