7月下旬、1人の男子高校生が、詐欺未遂の疑いで逮捕された。きっかけは、SNSで「バイト」「高収入」と検索したことだった。気付いても後戻りできなかったという高校生。その経緯と、指示役の恐ろしい手口とは。

入り口は“楽に稼げるバイト”検索…「やめたら罰金100万円」

7月26日、川崎市の男子高校生(16)が詐欺未遂の疑いで警視庁に逮捕された。

高校生は、市役所職員などになりすました仲間が事前に電話をしていた、東京・清瀬市に住む80代の女性から、キャッシュカードをだまし取ろうとした疑いが持たれている。

いわゆる“受け子”として逮捕された高校生。

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事件は、高校生が軽い気持ちで、SNSを通して“楽に稼げるバイト”を検索・応募したことから始まった。

高校生は7月上旬、楽に稼ぐことができるバイトがしたいと思い、ツイッターで「バイト」「 高収入」と検索。バイトを募集するアカウントとのやりとりを始め、相手からの指示に従って、身分証と家の周りの写真を送った。

その後高校生は、仕事についてのメッセージを受け取ったが、「キャッシュカードを引き換えて金を引き出す仕事がある」とマニュアルも併せて送られ、その時に、受け子をやらされるということに気づいたという。

「やっぱりやめます」。
高校生がそう言うやいなや、相手は「身分証で住所も分かっているから、やめたら罰金100万円だ」と言われて後に引けなくなり、そのまま引き受けてしまった。

現場でアタフタ、逃走

高校生は指示役に言われるがまま、80代女性の自宅へ赴いた。

女性から「身分証を見せてください」と言われると、慌てて「コロナがうつるので渡せない」などと話したという。

最終的に女性の夫が「おかしい」と指摘、高校生はもうだませないと思い、現場から逃走した。

高校生は指示役から「次の現場へ行け」と言われ、電車に乗って移動し、改札を出ようとした。その時だった。

“背広の着こなしに違和感” 警察官が駅で職質、逮捕へ

田無警察署では独自の取り組みとして、特殊詐欺の電話 いわゆる“アポ電”が入る昼前後や夕方を中心に、駅に警察官を配置し、不審な人物がいないかパトロールをしている。

「ちょっといいですか」

この日は地域課の警察官が、背広の着こなしに違和感のあるこの高校生を発見。

職務質問をしたところ、所持品から、特殊詐欺で使用されるトランプや封筒が出てきた。高校生を追及したところ犯行を認め、その後逮捕に至ったという。

軽い気持ちで手を出したアルバイトで、逮捕――

警視庁は、夏休みを迎えてアルバイトの機会が増える学生に「軽い気持ちで、詐欺に関係しうる高額をうたうアルバイトに手を出さないでほしい」と注意を呼びかけている。

(※画像は全てイメージです)

(フジテレビ社会部・松木 麻)

記事 5 松木麻

フジテレビ警視庁クラブサブキャップ(警備・公安担当)。
入社後、内勤、警視庁クラブ(生安・交通・組対担当)、司法クラブ(検察、国税、裁判)を経て現職。
途中で二度の産育休を挟み、現在は二人の幼児を子育て中。