大西洋沿岸のロブスター漁に異変!

地球温暖化が原因の一つとして指摘される海水温の上昇。これにより、大西洋沿岸のロブスター漁に異変が生じている。

ニューヨーク州南東部のロングアイランドに住むマイク・クレイグさんは、長年、妻ケリンさんとともにロブスター漁に携わってきた。多い時には、1日に700キロ近い水揚げがあったという。

元ロブスター漁師・マイク・クレイグさんと妻
この記事の画像(10枚)

「ロブスター漁は最高だった。私も兄も漁をしていた。すばらしい生活だった。きつい仕事だったけど、とてもやりがいがあり、すごく満足だった」と語る。  

しかし、この海域の水揚げ量は1999年を境に激減。ロングアイランドを含むニューヨーク州の水揚げ量は、当時の約30分の1にまで減ってしまった。このため、マイクさんは、40歳の時、23年間続けたロブスター漁をやめ、牡蠣の養殖に切り替えたのだ。

「収入が劇的に減った。新しいビジネスを立ち上げるには費用がかかった」 と、マイクさんは語る。

一方、1000キロ離れたカナダでは・・・

カナダ東部 ノバスコシア州

一方、カナダ東部・ノバスコシア州。ロングアイランドから約1000キロ離れたカナダのノバスコシア州でもロブスター漁に異変が出ている。 

今月から解禁になった今シーズンのロブスター漁。その道40年以上の漁師ケビン・ロスさんは・・・ 
「2005年か2006年から水揚げ量は増えはじめ、毎年増加している」

ロブスター漁師・ケビン・ロスさん

ノバスコシア州では、2000年に2万3000トンだったロブスターの水揚げ量が、ここ最近、約2倍の5万トン前後まで増えている。

水揚げ量が倍に増えたカナダ・ノバスコシア州

専門家はロブスターの生息域が変化している可能性を指摘する。その結果、より北に位置するノバスコシア州周辺での水揚げ量が増えているというのだ。

カナダ水産海洋省・アダム・クックさん

カナダ水産海洋省・アダム・クックさんは「ロブスターの水揚げ量はこの20年から25年で増加した。比較的安定して増えている。いくつかの理由があり、海水温の上昇も理由のひとつだ」と、分析してくれた。

収穫量の増加で、船の発注も増加

その結果、こんな影響も・・・。
地元の造船会社では、ロブスター船の発注が増えたため、施設を拡張して船の製造にあたっている。

造船会社「ウェッジポート・ボーツ」のフレイザー・チャノラーさんはこう語る。
「この3年間、船は3年待ちの状態だ。この業界では珍しいことだ」

長期間の漁に出られるように大型船の発注が増えている

この造船会社では、10年前は5人程度だった従業員を、今では30人以上に増員して、船の製造や修復にあたっている。長期間漁に出られるように宿泊設備などを備えたより大きな船の需要が高まっているという。

ロブスターの生息域に変化をもたらした海水温の上昇。人間の暮らしにさらなる影響を及ぼす日が来るかもしれない。

(取材:FNNニューヨーク支局 武ゆかり)

記事 4 武ゆかり