山陰両県でも教員不足が深刻化するなか、教員の志願者数の減少傾向が続いています。こうしたなか、国は7月から新しい教員免許制度をスタート、更新制度を廃止して、免許を持ちながらも教壇に立たない人材の掘り起こしも狙います。これが教員不足解消の切り札となるのか、島根県の場合を取材しました。
7月10日、松江市で行われた島根県の教員採用試験。小学校から高校まで、来春の採用枠約300人に対して約900人が受験しました。競争率は2.9倍、かつては狭き門だった教員への道ですが、倍率は10年前から半分以下に低下しています。
2012年7.8倍この現状について島根県教育委員会は…
島根県教育庁学校企画課・大野雅史課長:
「大変厳しい状況にある。教員確保対策と働き方改革は車の両輪だと思っている。人が足りないと働き方も厳しくなり、厳しい働き方だと人が集まらない。そんな悪循環が生じているので(問題解消を)最優先課題として取り組んでいる」
島根県の教員の欠員は今年4月時点で32人。60歳で定年を迎えた教員の再雇用を増やすなどして急場をしのいでいますが、小学校の不足率は全国ワースト1位。欠員対策は喫緊の課題で、県教委も対応を急いでいます。
教員のイメージアップを図るオリジナル動画を制作し、インターネットのほか、東京都内の街頭ビジョンでも放映。教員として、県外からのUターン・Iターンを促します。また、6月から松江市内を走るラッピングバスでPR。あの手この手でリクルート活動に力を入れていますが、受験者の増加に結びついていないのが現状です。
島根県教育庁学校企画課・大野雅史課長:
「教員の仕事は超過勤務が多い。働き方改革を進めて減少傾向にはあるけど、まだまだ厳しい状況にあるので改善が必要」
教員不足の背景にあるとされるのが、教員の働く環境。教員を目指す大学生が教職を敬遠する原因のひとつとも言われます。県の高教組が行った現役教員を対象としたアンケートの結果をみると、1か月の平均残業時間は90時間に迫ります。「ブラック」とも言われる教員の働き方の実態が浮き彫りになっています。
島根県高等学校教職員組合・小野山享宏執行委員長:
「教員という仕事は子ども達の未来を支える夢のある仕事です。人手不足の解消が教員の負担軽減やイメージアップにつながる。現状の改善が急務である」
業務量に見合った人数の教員が配置されていないと訴えます。こうしたなか…
島根県教育庁学校企画課・大野雅史課長:
「7月1日から免許状の有効期間が無くなり永久の免許になった。民間で勤務されている方を含めて多様な方に教員を目指してほしい」
7月1日、文科省が教員免許制度は改定。教員免許を有効にするため10年ごとに講習を受ける必要があった「更新制度」が撤廃されました。講習を受けず、更新していなかった教員免許が、申請するだけで再び有効になります。
宍道正五記者:
「私も教員免許を持っていますが、更新手続きをしていませんでした。今回の制度改正で復活するのでしょうか?」
島根県教育庁学校企画課・大野雅史課長:
「免許を一度取得された全ての方に現場に戻ってもらえる。一度退職された方、教員を目指したけど(教職を)選ばれなかった方など、幅広い方にもう一度目指していただけるとありがたい」
県教委は、今後、免許を持ちながらも教壇に立っていない潜在的な免許保有者にPRを進めるとともに、社会人採用枠の拡充などを通じて、幅広い人材の活用で教員不足解消につなげられると今回の制度改定に期待しています。

記事 539 TSKさんいん中央テレビ

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