小学生を乗せたスポーツクラブの送迎車に、言いがかりをつけるなどした疑いで、右翼団体構成員の男らが逮捕された。男の名刺には「YouTuber」の肩書きが書かれていた。

「降りて来い」送迎車を囲む2人の男

右翼団体「関東仁義社」構成員の田野義人容疑者(53)は、今年3月28日、東京・品川区池上付近を、軽自動車で走行していたとのこと。ハンドルを握っていたのは、63歳の仲間の男だった。

2人が乗った車の前には、都内のスポーツクラブの送迎車が走っていた。2台が赤信号で停車すると、突然、田野容疑者らが飛び降り、送迎車の前に立ちふさがったという。そして、「どういうつもりだ」「降りてこい、なんだ、あの運転は」などと、ボンネットを叩きながら、凄んだとのこと。

逮捕された田野義人容疑者(53)(7月8日 高島平署)
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送迎車が道を譲らなかったことに、腹を立てたとされるが、まさに”言いがかり”だった。送迎車は、スポーツクラブを運営する50歳の男性が運転していて、小学生8人も同乗していた。そして、その後も、田野容疑者らの”言いがかり”は続いた。

スポーツクラブに乗り込み2時間”言いがかり”

2人は、スポーツクラブに乗り込んだのだ。さすがに、利用者がいたため、クラブ側は、2人を駐車場に連れ出したとのこと。そこで、田野容疑者らは、応対した50歳の男性社員に対して「危ない運転をする男を公にさらさければならない。周囲を街宣車で回る」などと迫ったという。

この駐車場での問答は、午後6時半から、およそ2時間も続いたそうだ。ところが、”言いがかり”は、さらに続いた。翌日の午後1時ごろ、田野容疑者が、スポーツクラブに電話をかけてきた。電話口では「危ない運転をする奴を周囲に知らせなければならない。街宣車で回る」と凄んだとのこと。

田野容疑者らは、スポーツクラブに乗り込み、2時間も居座ったという。

その上で、「自分が飽きるまで1週間でも1カ月でもやっていく」と告げたというのだ。何と言う執念深さ。なお、田野容疑者が、駐車場で対応した社員に渡した名刺には、「関東仁義社」の名前は記載されていなかった。肩書きには「YouTuber」と書かれていたという。

右翼の「行動隊長」はYouTuber?

警視庁公安部は、送迎車の進行妨害と、スポーツクラブに乗り込んだ行為については「威力業務妨害」、さらに、嫌がらせの電話については「暴力行為等処罰法違反」に当たると判断。先月28日、田野容疑者らをそれぞれの容疑で逮捕した。

交流停止中の被告が逃走した病院(今年5月 埼玉・川口市)

2人とも容疑を否認しているが、実は、田野容疑者については”再逮捕”だった。今年5月、覚醒剤事件の被告の男が、勾留停止中に、埼玉県内の病院から逃走する事件が発生。田野容疑者は、この男をかくまうなどした疑いで、すでに逮捕されていたのだ。

この犯人蔵匿事件での逮捕を受けて、公安部は、スポーツクラブに対する”言いがかり”についても、立件に向けて動いたことになる。右翼団体での田野容疑者の肩書きは「行動隊長」。ユーチューブには、警察官の職務質問を拒否するなど「派手な様子」を掲載しているそうだ。

捜査関係者によると、田野容疑者は、ユーチューブに、商務質問拒否の様子などを掲載しているとのこと。
記事 952 社会部

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