もう会社の「忘年会」に行った人、これから行く予定のある人に質問!
あなたは、本当に喜んで「忘年会」に参加しているのだろうか? それとも仕方なく?
田辺三菱製薬株式会社が調べたところ、44%を超える人が「会社の忘年会に行きたくない」と思っていることが明らかになった。

これは、11月6日~7日に全国の20~40代の働く男女500人を対象に行った、忘年会に関するインターネット調査の結果。
今年1年お疲れ様でした!とみんなでねぎらうはずの忘年会に、本音では「参加したくない」と「どちらかと言うと参加したくない」という人が4割以上混ざっているということになる。
さらに男女比について田辺三菱製薬に聞いてみたところ、忘年会にネガティブな傾向は女性のほうが高く、20代女性は50%、30代女性は48%が参加したくないという傾向があるそうだ。
参加したくない理由についても調べているが、同社曰く「性別年齢問わず辛辣な意見が多数挙がりました」というだけに、上司は耳をふさぎたくなるようなシビアな声が紹介されている。
そのうちいくつか列記すると…
・「上司が嫌いだから」(群馬県・25歳男性)
・「上司の話を聞くのが面倒くさい。二次会に連れて行かれる」(福島県・33歳女性)
・「話がつまらないし合わないので時間の無駄と感じる」(東京都・42歳女性)
・「つまらない、気を使うので疲れる」(神奈川県・45歳女性)
・「飲み放題にする事が多く、料理の質が低くなり代金はそれなりにかかるため」(山口県・39歳男性)
このまま続けると上司や幹事のHPがゼロになってしまいそうだ。
しかし、今回はこの現実と向き合ってみることにする。
それでは、4割の人が参加したくない忘年会にどうやって誘うのがいいのか?逆に、角を立てず断るにはどうしたらいいのか?
飲食業界の経験もありビジネスマナーやハラスメント事情にも詳しい、日本サービスマナー協会の村山愛さんにお話を伺った。
「もしよかったら来ない?」という言い方が大切

――「4割が行きたくない」忘年会に、どう誘うのがいい?
まず第一に「言い方」がとても大切です。
同じ内容でも「言い方」によって捉え方、伝わり方は全然変わってしまうものなんです。
例えば、「(低音で抑揚のない言い方で)飲みに行きませんか?」というのと、「飲みに行きませんか?(最後を高音で言う)」という、2つのいい方では印象が変わります。
また誘う方が、「優しい上司」なのか「いつも厳しい上司」なのかでも変わってきます。
「言い方」と「誘う人が持っているもの」の違いは大きいですね。
今「上司」という枠組みにいる方たちは、昔は嫌な思いをしても、のし上がるために頑張ってきた人たちだと思います。
しかし今は、パワハラの時代というか、ハラスメントという言葉が広く知られました。
昔と同じやり方では、誘い方一つでも意味合いが大きく変わってしまうんです。
ですので、「もしよかったら来ない?」というような言い方が大切ですね。
誘う上司の方に、「飲み会は絶対参加しなくてはいけない」「飲み会はコミュニケーションの場だ」という考え方があると、部下は行きづらくなってしまいます。
――では逆に、忘年会に誘われても、角が立たないよう断るにはどうすればいい?
「お酒が飲めないので行きません」という単刀直入な断り方だと、相手の方は気分が悪くなってしまいます。
そこで「クッション言葉」というものを使います。
例えば、「せっかくなんですけども…」「残念ですが…」「申し訳ないのですが…」という言葉を付け加えてお断りすると相手の方の捉え方も少し変わってくると思います。
不参加経験が約7割…“2次会”問題

また、2次会に参加するか調査した結果、約7割の人が断ったことがあるという。
一昔前は「2次会行くぞ!」という上司の号令で連れていかれたものだが、今は「2次会は行きたくない」という意見をネットなどで目にすることが多くなった。そんな2次会についても聞いてみた。
――2次会への誘い方は?
「あなたに来てほしい」という気持ちを伝えることが大切です。
誘われる側は、自分を必要としてくれているんだというような気持ちが生まれます。
あとは「途中で帰っても大丈夫だよ」ということを伝えるのも大切ですね。
一次会同様、無理をさせず「もしよかったら」という誘い方をしましょう。
また、少し躊躇している人には、その方が安心できる別の方の参加を確かめて「○○さんもくるからどう?」と伝える方法もあります。
忘年会へのお誘いというのは、「強引」ではなく「合意」が大切なのだと思います
少しでも、お顔が曇ったら無理には誘わない方がよいでしょう。
――忘年会や飲み会のマナーは昔と今では変わってきている?
今の若い方でも、上司に肩を組まれて「行くぞ!」と飲みに誘われたい人は、たくさんいらっしゃるでしょう。
ただ、そういう方法では「行きたくない」と思う人が出てきているので、その方の気持ちを考えることが必要なのだと思います。
例えば、お酌の所作や目上の方に上座をおすすめすることなどは、昔から一切変わってないと思います。
――来年の新年会や、普通の飲み会で気を付けるべきマナーは?
人数の多い会では、隣の人や自分の気に入った人とだけお話をするのではなく、皆さんといろいろな会話を楽しむことを心がけましょう。
また、愚痴や自慢話ではなくて、やはり明るい話題がいいですよね。
あと、自分たちのグループではなく、周りのお客様にもご迷惑がかからない範囲で楽しみましょう。
せっかくの集まりですから「楽しい会」にすることを心がけるのはマナーの一つです。
基本的にマナーというのは相手を不快にさせないことなので、どんな場面においても相手が嫌だなと思うことはしないことが大前提ですね。
また、ここでお答えしたことは、すべて正しいというものではなく、それ以外はすべて間違いだということでもありません。
皆さまが楽しく、気を使いながら、気を使いすぎず、参加できる飲み会が今後も続いていただきたいなと思います。