育児の話題をお伝えするコーナー。来月から広島県内で新生児を対象に新たな検査が始まります。難病の早期発見・早期治療で命を助けるその検査とは?

生後5日目の赤ちゃんです。
行われているのは、「先天性代謝異常」を調べるための血液採取です。
すべての赤ちゃんを対象に生後、生まれた病院で公費負担で行われているものです。
血液は広島市医師会の臨床検査センターで調べ、早期に病気を見つけます。
この、新生児「マススクリーニング」と言われる検査に広島県は、来月から、更に3つの難病を見つけるための検査を追加することにしました。
難病の治療に当たる小児科医は?

【広島大学小児科・岡田賢教授】
「二つは免疫の病気で『重症複合免疫不全症』と『B細胞欠損症』。この二つとも免疫力が弱くて感染症にかかりやすくなるような疾患です。もう一つの疾患は『脊髄性筋委縮症』これは生まれた後に徐々に筋力が落ちていくそういったような疾患です」

これは、『重症複合免疫不全症』の患者のCT画像です。生まれつき免疫細胞がうまく働くことができないため、様々な感染症にかかっています。感染症にかかれば、生存率は40%程度。1歳未満で亡くなるケースも少なくありません。しかし…

【広島大学小児科・岡田賢教授】
「感染症にかかる前にスクリーニングとかで事前に見つかったお子さんは9割ぐらい助かる。大きな差がありますのでそういった意味で見つけてやってという意味は大きいと思います」

検査は県内31の医療機関で血液採取し、臨床検査センターで行います。

【広島市医師会臨床検査センター・藤井ひとみさん】
「こちらが7月から新しく始める検査のために導入した機械になります。今まで出して頂いているろ紙を使用させて頂いて検査をしますので、赤ちゃんにまた新しく採血をするという痛い思いはしなくて大丈夫です」

この検査は、アメリカではすべての州で行われていて、日本でも愛知県や大阪府など15を超える自治体ですでにスタート。去年はおよそ14万5千人の新生児が検査を受けています。広島県も後に続くことになりました。検査には同意書への保護者のサインが必要で、今年度は無料で受けることができます。

早期発見が重要なのには理由があります。乳児が生後2ヵ月以降順次行うたくさんの予防接種です。特に、2020年から定期接種となった生後2ヵ月での「ロタワクチン」。「重症複合免疫不全症」の子供が病気に気が付かず接種すると危険な状態に陥るのです。

【広島大学小児科・岡田賢教授】
「ロタワクチンが悪いというわけではなくて、ロタワクチンを打つ前にリスクがある方を見つけることができない状況というのがよくないということですので、そういった意味でこういう疾患をきっちりとスクリーニングしてあげて安全に予防接種が進めていけるそういった世の中になっていけばいいなという風に思っています」

対象の3つの病気は、治療法も進んできたため、早めに対処することが重要だと言います。

【広島大学小児科・岡田賢教授】
「早期発見早期治療ですね。しっかり診断して安全に育ててあげるそういった社会になることだと考えています」

記事 421 テレビ新広島

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