飲食店×客のマッチングサービス

困っている飲食店と食事に悩む顧客を結ぶ、おいしい関係に迫った。

新型コロナウイルスの影響で苦境が続く飲食店。そして、高まるテイクアウト需要。

テイクアウト利用客の男性:
かれこれ2週間くらい在宅していて、外に出ないようにするために自炊をしていたが、やっぱりそれだと飽きてきてしまうので。ちょっとは気分を上げていきたいなと思って。

テイクアウト利用客の女性:
子どもが小さいので、なるべく人と会わないようにしている。テイクアウトがあると助かります。

そんな飲食店と客をマッチングするサービスが今、広がりを見せている。

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会食や接待などに多く使われる、東京・港区の和食料理店「わだ屋」。新型コロナの影響で売り上げが大幅に減少したため、急遽テイクアウトを決めた。

「わだ屋 別邸」オーナー・和田彩加さん:
家賃も払わなければいけないし、人件費も払うのと、もともと仕入れていた材料もあるので、その支払いもある。お店としても生き残っていかなければいけないので、テイクアウトをすることにした。

「わだ屋 別邸」オーナー・和田彩加さん
「わだ屋 別邸」オーナー・和田彩加さん

テイクアウトをしやすいよう新たなメニューを作ったり、夜間だけだった営業を午前11時からにするなどの策を講じたが、ある問題が…

「わだ屋 別邸」オーナー・和田彩加さん:
自分たちでの宣伝は限界がある。

この店では、ウェブサイトなどでテイクアウトを始めた告知を行っているが、多くの人に知ってもらうのは難しいという。

スマホの位置情報から近くの店を表示

そんな飲食店の支援に乗り出したのが、「menu」というアプリ。

このアプリでは、利用者のスマホの位置情報から、テイクアウトやデリバリーが可能な近くの店が表示され、注文から決済までを行うことができる。もちろん、和食・洋食・イタリアン・中華料理など、ジャンルからの検索なども可能。

menu株式会社・佐藤裕一執行役員:
わたしたちのアプリを使っていただいて、ユーザーの皆さんにこの店もテイクアウトを始めたんだと気付いてもらえるよう、お助けしたい。

menu株式会社・佐藤裕一執行役員
menu株式会社・佐藤裕一執行役員

初期費用や手数料を2年間無料に

通常、このようなテイクアウトアプリを利用する際、店側は導入の初期費用や注文が入るたびに販売手数料を支払う。

「menu」でも、これまでは5万円の初期費用や10%の手数料を支払う必要があったが、今、困っている飲食店を支援するため、手数料などを2年間無料にすることを決めたという。

「わだ屋 別邸」オーナー・和田彩加さん:
手数料が多く取られるというのが、お客さまに、さらに値段を上げて利用いただくということになっていたので、お客さまにとっても店にとってもありがたい。

こうした結果、飲食店からの問い合わせが相次ぎ、1日に100件もの申し込みがきているという。

menu株式会社・佐藤裕一執行役員:
(自分たちの)利益をどう取ろうというところよりは、飲食店の皆さんには、これを使ってこの時勢から回復していく助けになればという決断。できる限りスピーディーに手伝いができるように、体制をさらに強めていこうとしている。

店舗と利用者のマッチングが苦境の店を救う

三田友梨佳キャスター:
感染拡大が続く中、困っている飲食店は多いですから、こうした取り組みは広がっていきそうですね。

IoT・AIの専門メディア IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
この取り組みはとても面白いので、是非応援したいなと思います。私もアプリをダウンドーロしてみましたが、30分以内で配送される店を検索できたり、取りに行けるお店も探せたり、検索オプションも複数用意されていて、近隣に多くの加盟店があればあるほど便利になる状態ですね。

他にもUber Eatsだとか、以前からある出前館だとか、様々なテイクアウトの手段があると思います。いろいろな手段があると、お店の人にとっては複数の対応をしなくてはいけないため、オペレーションは複雑になると思います。

三田友梨佳キャスター:
競争激化に伴ってですね。

IoT・AIの専門メディア IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
競争は激化すると思うんですが、それをマイナスに捉えず、店舗と利用者のマッチングがうまい形で実現されることによって利用者が増える。それが結果的に、感染拡大に困っている店を救うことになると思います。

三田友梨佳キャスター:
先行きの見えない外出自粛の生活ですが、こんな時だからこそ困っている誰かのために知恵を出し合って乗り越えることが大切ですね。

(「Live News α」4月29日放送分)