インターネットブラウザ「Internet Explorer」(IE)のサポートが、日本時間の6月16日に終了する。IEはアメリカのマイクロソフト社が1995年から提供してきたもので、インターネット黎明期は「ブラウザといえばIE」といえる存在だった。

今はブラウザソフトも種類があり、マイクロソフト社もIEの後継として「Microsoft Edge」を提供している。ただ、“IEを愛用してきた”“企業として導入してきた”ところもあるだろう。

Microsoft Edge(マイクロソフトの公式サイトより)
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サポート終了で潜在的リスクが高まる

今回のサポート終了でどんな影響が想定されるのか。独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)の担当者に、気になることを聞いてみた。


――IEのサポートが終了するが、そのまま使ってもいいの?

マイクロソフト社によれば「6月16日以降の同社が定める時点より、IEを起動しようとするとMicrosoft Edgeが起動するよう挙動が変更される」とされていますので、すぐに使えなくなるということはないと考えます。

しかしながら、一般的にソフトウェアのサポートが終了すると、新たな脆弱性が見つかったとしても、修正されなくなります。そのため、ウイルスへの感染や不正アクセスによる情報漏洩など、未修正の脆弱性が悪用される潜在的なリスクが高まります。IPAとしては、サポートが終了したソフトウェアは基本的に継続利用しないことを推奨します。


――ウイルス感染や不正アクセスがあると、どんな被害が想定される?

あくまで一般論になりますが、「情報漏洩」が被害の一例になるかと思います。個人情報のような機微な情報が外部に流出した場合、復旧・保証・訴訟などに係る金銭的な損害・損失にとどまらず、当事者(企業・組織)に対する社会的な信頼の失墜にもつながりかねません。

情報漏洩などを招くリスクも(画像はイメージ)

――一般ユーザーや企業に伝えたいことは?

一般ユーザーにはブラウザをIE以外の、サポートが継続して受けられるものへ移行することをお勧めします。企業の業務においてIEでのみ利用可能なサービスを使用している場合、IE以外のブラウザへの移行やWeb標準に準拠してサービスを改修するには相応の期間が必要となるため、計画的かつ速やかな対策の実施が求められます。

短期間で対応することが難しい場合は、一時的にMicrosoft Edgeの「IEモード」を使用することになります。マイクロソフト社によれば、「IEモードは少なくとも2029年まではサポートされる」とされていますが、それ以降はウェブサービスを閲覧できなくなる可能性もあるため十分な注意が必要です。

Microsoft Edgeでは「IEモード」も設定可能

IEでの動作を想定して作られたサイトでは、最新のブラウザではサポートされていない機能があることもあるが、Microsoft Edgeでは内包されている「IEモード」を使うことで閲覧できる。

IEモードの利用方法は、(1)Microsoft Edgeのアドレスバーに「edge://settings/defaultbrowser」と入力。(ブラウザ右上のメニューから「設定」→「規定のブラウザー」でも移動できる)

(2)「Internet Explorer モードでサイトの再読み込みを許可」にある「既定」を「許可」にして切り替える。(3)Microsoft Edgeを再起動する。

IEモードの流れ、その1。設定からIEモードの許可を行う

(4)IEモードで閲覧したいサイトに移動して、ブラウザ右上のメニューから「Internet Explorerモードで再読み込みする」と適用される。※IEモードの終了もメニューから適用できる。

IEモードの流れ、その2。メニューから再読み込みで適用

ただ、IPAの担当者はIEモードについて「IEのサポート終了後、短期間でIEのみで利用可能なコンテンツを改修することができない場合において、利用者に一時的な利便性を提供するものと考えている」ともしている。

今はさまざまなブラウザソフトが無料公開されている。IEモードがあるMicrosoft Edgeに移行するか、他を探して使ってみるのがよさそうだ。

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。

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