新型コロナウイルスの感染拡大により、全国各地の飲食店の休業が相次ぐ中、飲食店の心配は休業補償だけではないようだ。
長期的に休業する際には厨房の衛生管理にも気をつけなければいけない。シンク、手洗い場などをそのまま放置しておくと排水口から害虫が発生したり、悪臭が漂う恐れがあるという。
その原因は何なのか?そして、長期休業の際に、その他に厨房内の衛生管理で気をつけなければいけないのはどんなことなのか?
東京都にある厨房機器メーカー・タニコーの品質保証部の菅原正明さんに話を聞いてみた。
「排水トラップ」の水がなくなる
――長期休業の際、シンクをそのまま放置しておくと起こり得ることは?
シンクには排水トラップというものが付いております。その中には水が入っており、配管から臭気や害虫が上がってこないように、この水で蓋をした状態になっております。
その水が何らかの影響によりなくなってしまうと、臭気・害虫が上がってきてしまいます。
――なぜ起こる?
原因は排水トラップ内の水が蒸発する、または他の配管で流した排水などにより配管内の圧力が下がって、吸い出されることなどが考えられます。
――どう対策すればいい?
蓋があるようでしたらシンクの流しの口の部分に蓋をしておく、または水が無くならないようにまめに水を流すようにすることが対策となります。
食洗器、ゆで麺器、蒸し器なども注意!
――食洗器などの水を使用する機器にも注意が必要?
厨房には、食洗器、ゆで麺器、蒸し器など水を使用する機器があります。例えば、食洗器の場合、食器を洗った後に食洗器の中に残留物が残り放置しておくと菌が増えかねません。また、臭いを発することもあります。
――対策は?
一般的な対策の手順がこちらです。
1.機器の清掃を実施。水分が残らないよう十分拭き取って下さい。
2.タンクや槽の水を排水。
3.電源ボタンを「切」にする。
4.ガスおよび給水、給湯の機器元栓を閉じる。
5.使い始める際には、清掃し試運転し、問題がないことが確認できてから使う。
――他に、注意すべきことはある?
長期的に使わないガス製品や電気製品などは清掃して、電源を切り、コンセントを抜いておきましょう。長期間使わないことで漏電やガス漏れの危険性があります。
コロナ収束後、いざ店を再開する際には、衛生管理は万全な状態で臨みたい。以上のことを参考に、特に水回りは休業中もこまめにチェックしてほしい。