世界も注目。大阪府が休業要請に応じないパチンコ店の名前公表

全国で初めて、休業要請に応じないパチンコ店、6店の名前の公表に踏み切った大阪府。
27日にも新たに3店の名前を追加公表した。
東京都も、28日にも応じない店名の公表に踏み切るとみられている。

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加藤綾子キャスター:
休業要請に応じないパチンコ店、どう思われますか?

パトリック・ハーラン氏:
これは日本独特の悩みだと思うんですよ。
世界では強制・強要をもってロックダウンさせるんですけど、日本だと自粛を要請するだけですよね。ということは自己判断に任せているんですよ。
昔から「恥の文化」と言われているんですけど、この恥をもって国民を動かそうとすると、恥にビビらない。恥を恐れない人はそれだと動かない。これがこの制度の「落とし穴」でもあるんですね。

加藤綾子キャスター:
そこが難しいところですよね。公表すると宣伝になってしまうんじゃないかなと。

パトリック・ハーラン氏:
逆効果なところもありますよ。

加藤綾子キャスター:
さらに実は、海外メディアもこのことについて報じている。

パトリック・ハーラン氏:
「Japan’s Osaka to Name and Shame Pachinko Parlours Deflying Coronavirus Lockdown.」
『大阪が休業要請を無視するパチンコ店の実名公表で辱め』
というのがあるんですけど。

パトリック・ハーラン氏:
これは「Name and Shame」というこの行為が注目されているんですよ。名前を出して恥をかかせる。これは昔から注目されているんですけど、日本は国民の道徳に訴えて、力ではなくて、その良心で動かそうとするんです。

米プリンストン大学のシェルトン・ギャロン教授が「道徳を使った説得法」というんですけど、今回は果たして効くかどうか世界が注目しています。

加藤綾子キャスター:
世界が注目しているやり方ということですよね。

パトリック・ハーラン氏:
「個人とかお店の行動を、制限するんだったら制限すればいい」と世界は思っているんですよ。

加藤綾子キャスター:
また店名の公表をめぐっては、26日タレントのラサール石井さんがTwitterでこのように書き込みました。

「『皆さん、パチンコ屋が軒並み閉まって大変でしょう。今ならここが開いてますよお」と宣伝した結果になるのわからんかったかな」と批判したことに対し、吉村大阪府知事は「『分からんかったの?』とはお気楽な立場だよ。影響力ある立場なら『今だけはやめましょう』位言えないのかね」と反論している。

風間晋フジテレビ解説委員:
特措法に基づく対応策が、店名の公表くらいしかありませんから。それを使わないという選択肢はないですよね、大阪府にとってみれば。ただその程度のことしかできないっていうふうに、パチンコ店側に見透かされているのもまた事実だと思います。

ただ、人が集まってしまったという所に、どうしても注目がいってしまいますけれども、大阪府が最初に公表した6店のうちの3店は、実際に休業したわけですから。公表した成果はあったという点も評価してあげないといけないのではないかなと思います。

日本の道徳に訴える自粛要請 罰則など法律による制御が必要なのか?

パチンコ店の男性客A:
こういう所じゃないとストレス解消できないと思っているので。調べて開いているってなったらパチンコ好きな人からしたら、そういう所目指して行くじゃないですか

パチンコ店の男性客B:
休んだら行かなかったらいいや、やってるから行こうぐらいの気持ち

街の80代男性:
とんでもない話ですね。公表どころかもっと徹底的にできればね。法律でできるんだったらやった方がいい。迷惑ですよね。

街の40代女性:
開ける方も問題あると思うんですけど、集まってきちゃう方も問題あると思うので。

街の30代女性:
やっぱり罰則とか設けてもらって、完全にやめてほしいというふうに知事の方から言ってもらうのがいいかと。

街の40代女性:
大阪の方で(店名)公表されて殺到したって見て、そういうのがこっちでも起きるので葉と懸念している。

要請に応じないパチンコ店に対して、町からは怒りや戸惑いなどさまざまな意見が上がっている。

加藤綾子キャスター:
どうすれば要請に応じないパチンコ店は、お店を閉めるのでしょうか?
特措法では「協力要請」に続いて、「要請」それに応じない場合に施設名の「公表」となっているんです。
この先どうなるのかと言いますと、「要請」に応じないときは「指示」ができる。罰則はないのですが、法的履行義務が生じるということになっているのです。
この指示と法的履行義務これはどういうことなんでしょうか?

風間晋フジテレビ解説委員:
罰則がなかったら誰も言うことを聞かないですよね。
ただ弁護士の方に聞いてみたんですけれども、日本の法律は意外とそういうことがあちこちに書いてあるそうです。
要するに「社会的な圧力を強めて言うことを聞かせる」ということなんですけれども、結局は今の要請をして、「聞いてくれなかったら店名を公表する」というやり方と、程度の差こそあれ同じなんですよね。
一部のパチンコ店やパチンコに出かけている人は「空気を読めよ」と言われても、それは「関係ないね」って動いているわけですから。今回効果は期待薄かなと思う。

こちらの約777分の24。これはなにかと言いますと、東京都内のパチンコ店のうち営業中と思われるお店の数が24店なんですよ。つまり、残りの753店舗は自主的に休業しているんです。
なので休業しない理由を「やむを得ずやっている」とかいろいろ言いますけど、特段な理由は考え難いかなと思います。

加藤綾子キャスター:
確かにこの数字見ると、やるところはほとんどやっているということですよね。

パトリック・ハーラン氏:
すばらしいですよ、本当に。道徳と良心に基づいて行動しようとする個人とか、お店もすばらしいと思うんですけど、僕はパチンコ店だけじゃなくて、他の店もやってますし、実際に制御しようと思えば、別に特別措置法にこだわる必要はない。

健康増進法も4月から改正されまして、店内・室内の喫煙が全面罰金の対象になりました。
罰金制度を作ることはできるのですから、条例でも法案でも通して、ちゃんと力を持った法律を作ってもいいのかなと思う

風間晋 解説委員:
日本はなかなか罰金だとか罰則を作ることに関しては、ハードルが高いと思われるので、実際行政はですね。

例えば業界の監督組織みたいなものに、抜き打ちの立ち入り調査を行わせたりとか、そういう形で個別の店舗にプレッシャーを与えるという、次の策、次の策ってきっと考えているのではないかなとは思います。

加藤綾子キャスター:
一人一人の意識。さらに、業界団体がもう少し足並みをそろえるような取り組みがあってもいいかもしれないですね。


(「Live News it!」4月27日放送分より)