2007年にイギリス人の青年2人と愛犬1匹で創業したクラフトビールメーカー「ブリュードッグ」。工場で大量生産されたラガーや面白みのないエールで占められていたイギリスビール市場に、私たちと同じくらいビールに情熱を持つ人を増やしたい。そして、エキサイティングなビールの世界を築きたい。そんなミッションのもとに立ち上がった会社です。


ブリュードッグがマーケティングの軸として大切にするのが、ファンコミュニケーション。世界に直営のバーを100店舗以上構え、顧客と直接対話したり、経営に参加できる自社株を自ら発行してクラウドファンディングで提供したり、従来のビールブランドとは異なるユニークな手法でファンとの交流を重ねています。

本記事では、ブリュードッグの国内外のマーケティング事例、ファンマーケティングに注力する理由をブリュードッグ・カンパニー・ジャパン株式会社 COOの梅垣 幸嗣が語ります。


2007年創業、イギリスNo.1クラフトビールに

ブリュードッグが創業した2007年当時、イギリスのビール市場は、“工場で大量生産されたラガー”か“昔からある面白みのないエール”のどちらかで占められていました。そんな“つまらないビール業界”に飽きていたジェームス・ワットとマーティン・ディッキーの共同創業者は、24歳でクラフトビールの世界に足を踏み入れます。


“PUNK(常識に逆らう)”をキーワードに、古臭い風習や固定概念を打破し、自分たちの意志で新しいビール文化を創ることをミッションに、ブリュードッグを立ち上げました。


創業当初はガレージで少量醸造し、手詰めしたクラフトビールを地域に販売していましたが、2年後の2009年にはイギリスでもっとも成長しているビールブランドに。当時はまだめずらしかったSNSを駆使したファンマーケティングやパンクの精神に則った奇抜なプロモーションなどに共感した若手層を中心に、人気を獲得してきました。


掟破りで限度なし。常識を揺さぶるパンクなマーケティング戦略

ブリュードッグは、ビールに対する世の中のイメージを変えるため、従来タブーとされてきた掟を破り、常識を揺さぶるようなマーケティング戦略を多く展開しています。

その一つが、2009年に開始したクラウドファンディング「Equity for punks(イクイティ・フォー・パンクス)」。これは、ブリュードッグが発行した自社株に特典を付けてリターンとして提供するもので、支援者の方と一緒にブランドを盛り上げる施策です。株主は、直営店のバーで一生10%割引を受けられたり、発売前の商品をテイスティングができたりなどの特典のほか、経営にも参加できます。


ちょうどガレージでの生産に限界を感じていたタイミングで、醸造所をつくるための資金が必要でした。しかし、新興企業ということで銀行から融資を受けられず、「それならば自分たちで資金を集めよう」と実施にいたりました。このクラウドファンディングは毎年実施しており、ブリュードッグを語るのに欠かせない歴史となっています。


また、交通事故で亡くなったリスの剥製をパッケージにした、アルコール度数55%のビールを使ったプロモーション。似たようなパッケージばかりが並ぶビール市場に対して、剥製という芸術とビールを融合させることで、「ビールにはもっと多様な可能性がある」というメッセージを示しました。


単に過激なことがしたいわけではなく、背景には“PUNK”の精神に則ったブリュードッグならではのメッセージがあります。賛否両論はありつつも、ブランドとしての説明責任を果たしたうえで、商品の良さ、自社の思いを消費者に届けるために、新規性のあることにトライしています。


結果的に、ヨーロッパの若年層を中心に支持を得ることに成功し、「エキサイティングなブランド」という位置づけになっているのだと分析しています。本国イギリスのInstagramフォロワーは約40万人にのぼります。


ファンマーケティングに注力するワケとこだわり

当社がマーケティングにおいてもっとも大事にしているのが、ファンとの関わり方です。ブリュードッグが打ち出すPUNKの精神、つまらないビール業界にエキサイティングな世界を創るというミッション、クレイジーなほどの製品へのこだわり、それら一つひとつの付加価値をどのように伝えていくか。


私たちは、テレビCMなどのマスでは、この情熱やこだわりを表現するのは難しいと考えています。大衆に広く伝えていくのではなく、ブリュードッグを愛してくださるコアなファンの方々に伝道師となっていただき、丁寧にメッセージを伝えていきたい。さらに、ファン同士がつながるコミュニティをつくることで、ブリュードッグへの愛を深めてもらい、その熱い思いを友人や知人に伝えてほしい。そんな伝播を通じて、商品を体感する方が増えたらと願っています。


実際、海外でも株主やバーのお客様などとのコミュニケーションを通じて、ブランドに共感してくれる方の輪が広がり、現在のブランド認知が形成されています。


現在、日本ではブリュードッグの認知はまだまだ低いものの、一方で海外同様にコアなファンの方が存在しているのも事実。そこで、2021年12月に「BREWDOG PUNKS プログラム」をスタートしました。これは、ブリュードッグの伝道師となってくださるアンバサダーのためのコミュニティです。「アンバサダーカード」を発行し、それぞれの貢献によってアンバサダーポイントを加算したり、定期的にファンミーティングを開催したりして、アンバサダーの方との交流を重ねています。この春からは、ポイントの加算やランクに応じた特典を増やすなど、魅力ある取り組みになるようプログラム自体をグレードアップしています。


これまで個々でブリュードッグに親しんできた方々をコミュニティ化することで、ブランドメッセージの浸透を図り、ブランド愛を広げていきたいですね。同時に、ファンのみなさんに、日々の生活をワクワクさせるキッカケを提供できたらと考えています。


日本におけるファンマーケティング3つの軸

日本においては、もっと知ってもらう・飲んでもらう機会を増やすことを目標にしています。ターゲットに据えているのは、20〜30代の若年層。ビール離れが進んでいるといわれる世代ですが、ビールを飲むというより、「ブリュードッグを飲む」という感覚で選んでほしいと考えています。


国内のマーケティングにおいては、「デジタルコミュニケーション」「イベントとのコラボレーション」「飲食店での提供」という3つの軸を中心に展開していきます。


「デジタルコミュニケーション」では、InstagramとTwitter、Facebookを活用し、日々のコミュニケーションに加え、多様なキャンペーンなども仕掛けます。“コラボレーション”をテーマとして、若年層に人気のイラストレーターや作品とコラボするなど、SNS上で積極的に情報発信、及び交流します。


「イベントとのコラボレーション」はスタートしたばかりの施策ですが、3年ぶりに開催された「逗子海岸映画祭 2022」や「​​オクトーバーフェストお台場2022〜SPRING〜」で当社のクラフトビールを販売したところ、多くの若年層が手に取ってくれました。見る限りですが、「おしゃれなシーンに合う」という感覚で選んでくれていたような気がます。


そして、「飲食店での提供」では、まず飲食店の雰囲気を楽しみながら五感で味わってもらい、その後はスーパー等で購入して、日常的に自宅でも楽しんでもらえたらと考えています。ブリュードッグとマッチするような飲食店を見定めながら、積極的に展開していきます。

日本には、六本木に直営のバー「BrewDog Roppongi」があり、ファンの方と直接触れ合える大切な場と位置づけています。ここでもお客様とコミュニケーションを取りながら、ファンになってもらえるような企画を実施する予定です。


さまざまタッチポイントを増やし、日本における「エキサイティングなビール」の新カテゴリを創りたい。ブリュードッグが、みなさんの日々の活力になれば嬉しいですね。




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