北朝鮮は29日未明に撃ち上げた「火星15型」の映像、画像を公開した。

噴射炎がまっすぐ伸びていることからミサイルは液体推進とみられる。
液体推進の場合、酸化剤が強力でタンクは3日も4日も持たないと言われるので未明の発射というのはタイムリミットだったのかもしれない。

次にミサイルを横から見ると細い出っ張りのすじが2本にわかれてあることがわかる(写真下)。
これは中にケーブルが入っているとみられ、1つが1つの段であることを示しているので、このミサイルが2段式で弾頭分離であることを示している。

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今回のミサイルの特徴のひとつは第1段と第2段の直径が同じという点だ(写真下)。

第2段の出力は火星14型の第2段よりも大きいかもしれない。
さらに弾頭部の基盤の直径も第1段と同じなので、重量はともかく、弾頭には火星14型よりも大きなものが載せられることになりそうだ。

北朝鮮メディアが「超大型重量級核爆弾」と言っているのはこのことを指しているのだろう。

またミサイルを立てたあとの画像を見ると、大きな噴射口が二つ見える。
メインの噴射口が二つあるとなると北朝鮮の大型弾道ミサイルではKN-08やKN-14の系列であるように見える。
火星14型では旧ソ連のRD-250という噴射口が2つあるエンジンの噴射口を1つにして使用したと言われていたが「火星15型」では噴射口が2つあるRD-250ををそのまま使用しているのか、旧ソ連の4D10型エンジンかもしれない。

ミサイルを横倒しにして載せているのが移動式の発射機:TEL(テル)だ。

今回公開された画像・映像を見ると移動式発射機が火星14型の時の片側8輪ではなく9輪となっていて大型化している(写真下)。

固定された発射台からではなく突然現れてミサイルを発射するため、発射準備段階を含め敵の発見が遅れることを利点としている移動式発射機だが、これだけ大きいと北朝鮮の中で活動できる所がむしろ限定されるかもしれない。

ミサイルを垂直に立てるためかミサイルの基盤の下に木の板をかませるなど発射準備に時間がかかっていることも想像できる。韓国軍は北朝鮮の弾道ミサイル発射前に自国の地対地弾道ミサイルで潰そうとしているので、発射準備の時間は重要なファクターとなる。

さて、この「火星15型」の移動式発射装置について北朝鮮メディアは「100%国産化」と主張している。

これまで大型の火星14型のTELが中国製のWS51200大型トラックを密輸したものをベースにしていたため、事実上、この規模の移動発射装置は密輸した6台しかないと言われていた。

国産化でこれだけ大型の発射機をモノにしたとなると経済的制裁を受けているにもかかわらず北朝鮮がさらに数を増やす可能性を示唆していると言える。

いずれにせよ9月15日から2か月間の沈黙のあと、ICMB級のミサイルは火星14型に加え「火星15型」の2系列となってしまったわけだ。

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