細田さんの気持ちもわかるんだが

細田衆院議長は「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」との発言への批判に対し「反省している」と陳謝した上で、「今後は発言を控える」と述べた。

「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」と発言した細田博之衆院議長(10日)
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歳費は税金から支払われるので「月収100万円しか」と言われて怒らない国民はいないだろう。ただ細田氏の気持ちもわかる。政治にはお金がかかるのだ。東京と地元の2か所に拠点を構え、スタッフも雇う。ビジネスとして割の合う仕事ではない。お金が欲しければ別の仕事をした方がいいと思う。

一部の裕福な政治家は別にして、特に野党の若い政治家などは着ている服も生活態度も質素だ。そして休みなくよく働く。職業としては公務員や民間の会社員の方が、まあ何と言うかリーズナブルではないか。

ただ歳費とは別に月100万円もらえる文書交通費の話にモヤモヤした人は多いと思う。昨年10/31の衆院選で当選した維新の新人議員(当選判明は11/1未明)が10月分の文通費100万円をもらえるのはおかしいと言い出して法改正し日割りになったのだ。しかし他の国会議員はこれまでおかしいと思わなかったのだろうか。

こういうことがあると「国会議員って大変なんです」と言われても納得する人は少ないだろう。

国会議員はもうグリーンに乗るな

ところで立憲の山下八州男元参院議員が新幹線のグリーン券を不正取得して逮捕された。山下容疑者は落選後も議員パスを返さずに10年以上に渡ってネコババしていたらしい。驚くのは議員パスを返さない人は他にもいて今後督促するという。

逮捕された山下八洲夫元議員

普通はこんなことがあったら国会が国民に再発防止策を示すのではないかと思うのだが、衆院議院運営委員会では維新が不正防止のため「将来的」にパスのIC化を求め、今後それらの防止策を「検討」することになったらしい。

「将来的」とか「検討」とかずいぶんのんびりしている。直ちに「不正取得の総額はいくらです」「そのお金は我々が納税者にいついつまでにお返しします」「今後はこうやって不正のないようにします」と説明するべきではないのか。

「許されない」のは誰なのか

一方、山口県阿武町ではコロナ関連の給付金4630万円を町が誤って一人の男に振り込んでしまい、報道によるとその男はネットカジノで使ってしまったらしい。これに対し花田町長が「許せない」と言ったという。4630万円使っちゃった人はもちろん許せないが、納税者からすればそんな人に振り込んだ方も許せないのではないか。

「もし事実であれば許せない」と語った山口・阿武町 花田憲彦町長(17日)

間違えて振り込んじゃった職員を責める気は全くない。ミスは誰にでもあるから。責任は町役場にあり、従って町長にある。だから他人事のように「許せない」と言ってる場合ではない。

細田衆院議長、その他の国会議員の皆さん、花田阿武町長さん、もう少し納税者の身になって発言し、行動して頂けませんか。

細田さん、それでも月給が100万円で安いと思うなら、止めませんのでどうぞ議員をお辞め下さい。国会議員の皆さん、ネコババする人がいなくなるまでは議員パスでグリーンに乗るのはやめませんか。疲れてるのはわかるけどみんな自腹で乗ってますから。花田町長は失った4630万円をどうやって町民に返すか、考えましょう。返せないなら責任を取るべきです。

多くの政治家は休みもなく国民のために働いている。それは尊敬する。だから給料も住宅も交通も補助するのは当然だ。政治家の数を減らせ、給与を減らせという主張には賛同しない。必要な税金も納める。ただ国民が真面目に働いて納めた税金を雑に使うのはやめてほしい。その金はあなたがたの金ではない。私たちの金を預けているだけなのだ。

【執筆:フジテレビ 上席解説委員 平井文夫】

平井文夫
平井文夫


フジテレビ報道局上席解説委員。2020年4月から立命館大学客員教授。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。

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