新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、「密閉、密集、密接」のいわゆる「三密」を回避するための取り組みが広がっている。

コンビニやスーパーなどの店頭では、レジの順番を待つ利用客に間隔をあけて並ぶよう促すほかに、レジカウンターに透明のビニールシートを張り、おつりの受け渡しを直接手渡しで行わないようにするなど工夫している。
また、緊急事態宣言が出た後、初めての年金支給日に金融機関を訪れる客に対しては、ATM前や窓口前のソファでは間隔を空けるよう呼びかけるなど、担当者は対応に追われている。

役所に行かずに申請書類をスマホで取り寄せ

こうした中、「三密」を避けるために役に立ちそうなサービスも増えている。
証明書の分野では、役所の窓口などでの混雑を回避するため、オンラインで公的書類を請求できるサービスに注目が集まる。
行政サービスのデジタル変革をめざす企業「グラファー」では、登記簿謄本や印鑑証明書などをオンライン請求できる仕組みなどを提供している。

新型コロナウイルスの影響で、融資や助成金の申請を行う企業が、登記簿謄本や印鑑証明書を取り寄せる必要が出てくるケースが多くなっているため、こうした書類を窓口に行かず、スマートフォンで取り寄せることができるようにする。
最近では『脱・窓口混雑プロジェクト』を始め、法人を対象に従来よりも割安価格でサービスを提供することで、窓口の混雑抑止につなげることを目指している。

グラファーによると、スマートフォンでの公的書類請求サービスは、すでに1万社以上に利用されていて、2020年3月の公的書類の請求数は、前年同月比約2.3倍だという。
グラファーは「法務局の窓口職員や、窓口に行かなければならないと思っている事業者の方を感染リスクから守りたい」と話す。

電子上の押印でハンコにサヨナラ

いわゆる「三密」回避に向けた取り組みは、これだけにとどまらない。
弁護士ドットコムが手がける「クラウドサイン」は、電子上での押印などを使い、契約作業から紙と印鑑をなくしたクラウドサービス。これにより、各手続きに求められる一切がパソコンだけで完結できる。
外出自粛のさなかに、印鑑を押すために通勤列車に乗ってオフィスに出向くような状況を回避することもできそうだ。

このサービスは、先日 電子署名による契約締結を推進していく方針を発表したメルカリとメルペイも導入している。
契約締結までをスピード化し、郵送代や印紙代などが不要となることで、コスト削減もできるメリットもある。
さらには、電子署名機能などで改ざんのリスクを防げる。
新型コロナウイルスの感染拡大で、業務効率化・ペーパーレス化を支援するため、現在「クラウドサイン」を医療機関で無償提供する措置などがとられている。

印鑑をめぐっては、GMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長が、トップダウンで印鑑廃止を表明したことでも話題となっていて、各社の動向が今後も注目となる。

賃貸物件の内見から入居までスマホで完結

また、賃貸物件での「三密」回避につながるサービスにも注目が集まる。
不動産テック企業の「GAテクノロジーズグループ」では、新型コロナウイルスの感染拡大で、オンラインでの商談や3D内覧などのサービスへのニーズが高まっているという。

物件への内見から契約、入居までをすべてスマートフォンで完結させることができるサービスでは、スマホのビデオ通話などを利用して、内見代行サービスを実施する。

また、現地での内見を希望する客に対しては、スタッフが現地集合・現地解散で内見対応をしている。
その際スタッフは、マスク着用はもちろん、1.5m以上の距離をあけて対応しているという。

新型コロナウイルスをめぐる、各社の取り組みが引き続き注目される。

(フジテレビ報道局経済部 西村昌樹記者)