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鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室室長を代表とし、国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長ら、北朝鮮に派遣された5人の特使は、4日、金正恩委員長と会談。5日付の北朝鮮の労働新聞は、金委員長が満面の笑顔で特使と握手する写真を掲載、南北首脳会談についても「満足する合意を得た」と伝えた。

会談で、金委員長は韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の親書を受け取ったが、焦点の米国との対話について、北朝鮮メディアでは言及はなかった。

米朝対話について、米国が出している最大の条件は「非核化」。米国の専門研究機関、38NORTHは、5日、北朝鮮・北西部、寧辺(ヨンビョン)にある核施設を先月25日に撮影した衛星画像(参照:上写真)を分析したところ、原子炉のある施設から、蒸気が出ているほか、近くの川の氷も溶けていて、原子炉が稼働している兆候だと分析した。

稼働の証拠となる冷却水の排出は確認されていないが、排出用のパイプを隠して川まで伸ばした。だから、川の氷が解けた可能性ということもあるかもしれない。寧辺の原子炉が稼働するなら、使用済み燃料を再処理して、核兵器の材料となるプルトニウムを生産できる。

核兵器増産の懸念がある中での韓国特使と金正恩委員長の会談。米国防総省のマニング報道部長は5日、「南北間の対話を支持する」とした上で「慎重さを保ちつつ、楽観している」と述べるとともに、朝鮮半島を防衛するための軍事的な準備も進めることも言及したという。この「軍事的な準備」とは何か。

米国防省は5日、岩国基地に配備されている米海兵隊のF-35Bステルス戦闘機が、東シナ海上で、強襲揚陸艦WASPの上空を通過、そして着艦したとして、その映像を同日に公開した(参照:上画像)。 これは、米軍のステルス戦闘機がついに洋上からも活動できるようになったということを意味する。北朝鮮含め、東シナ海周辺国にとっては、無視できない動きだろう。

WASPは現在、米海軍で唯一、F-35Bを運用する軍艦であるとともに米海軍の新しいコンセプトの部隊「強化型遠征打撃群」を構成する際に中核となる軍艦。米海軍では強化型遠征打撃群のカギとなるのはWASPによるF-35Bの運用だとしている。F-35Bのセンサーは1300km先の弾道ミサイルの飛翔を捕捉できるとされ、これは、日本の領空から、北朝鮮のどこからであれ弾道ミサイル発射を捕捉できることになる。

F-35Bで捕捉した敵情を随伴艦のデューイなど、対地攻撃用のトマホーク巡航ミサイルを搭載している可能性のあるイージス駆逐艦にリアルタイムで伝えることで、F-35B自身は爆弾投下後、打撃手段を持たない状態でも敵を叩くことが物理的には可能となるかもしれない。極東におけるアメリカ軍の態勢は着々と強化されつつある。