日本がミサイル防衛を目的として導入を決めた「イージス・アショア(タイトル写真)」の発射システムに関して、ロシアのラブロフ外相は15日「攻撃用のミサイルも発射できる」と指摘。

さらに、日本がイージス・アショアを導入するにあたり、システムの運営管理にアメリカが関与しない事に関しても疑問を呈し、「(イージス・アショアの)配備はモスクワと東京の関係に影を落とす」との懸念を表明した。

これに対して小野寺防衛相は16日、「防御的なシステムであり、ロシアを含め周辺諸国に脅威を与えるものではない」と反論。イージス・アショアは、防空・弾道ミサイル防衛・巡航ミサイル防衛等、多機能のイージス艦の機能のうち、弾道ミサイル防衛だけに絞り込んだシステムを地上に設置するものだ。ところが昨年12月18日に中国のH-6K爆撃機が射程およそ1500kmの巡航ミサイル「長剣20型」の訓練弾を搭載し、飛来した。

実弾なら日本全土が射程内に入る地点だ。(参照:下画像)

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低く飛ぶ巡航ミサイルを撃墜する方法は、高空から高速で落下してくる弾道ミサイルを撃破する方法とは、全く異なる。これを受けてか、小野寺防衛相は巡航ミサイル防衛能力もイージス・アショアで検討したいと発言した。

実施されれば、日本のイージス・アショアは、欧州にすでに配備された米軍のイージス・アショアと似て非なるものに。

イージス・アショアに巡航ミサイル防衛能力を搭載するには、基本システムを「ベースライン9E」から「ベースライン9C」に戻さなければならない。(参照:下画像)

ただし、基本システムを「ベースライン9C」に変更した場合、NIFC-CA=巡航ミサイル防衛能力を付加可能になるだけでなくトマホーク巡航ミサイル発射用のシステムまでアプリのように載せることが可能となる。

ラブロフ露外相が指摘しているのは、日本がトマホークによる攻撃能力を持つということだけでなく、(1)日本のイージスアショアに実質、米軍が関与し、(2)地上施設からトマホーク巡航ミサイルが発射が可能となれば、(3)射程500㎞から5500㎞の地上発射巡航ミサイルの生産・配備を禁止した米露間の条約、INF条約の違反になりうると言いたいのかもしれない。

しかし、そもそも、日本はINF条約の当事国ではないので、日本が当事者として署名をしていない、同条約の違反と誹りを受けるのは無理があるだろう。