18日午前、防衛省の屋上から陸上自衛隊のEC-225LPシュペルプーマ・ヘリコプターに乗った安倍首相とターンブル豪首相は、習志野駐屯地を訪れた。

陸上自衛隊がオーストラリアから導入したブッシュマスター輸送防護車(参照:下画像)に、二人で乗り込み談笑している場面もみられた。

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その後、航空自衛隊の地上発射迎撃システム「PAC-3」のPAC-2GEMミサイル発射機とPAC-3ミサイル発射機を視察したターンブル首相は、北朝鮮から発射される弾道ミサイルについて、意外な質問を投げかけた。

「(日本に向かう弾道ミサイル)のミッドコースは何分ですか?」
「5分」
「みなさん、急がなくてはいけないですね」

弾道ミサイルは噴射中の「ブーストフェーズ」、噴射終了後の「ミッドコース」、飛翔最終段階の「ターミナルフェーズ」を経て標的に向かう。この質問は、ターンブル首相本人が「ミッドコース」を熟知していることを示唆している。
オーストラリアには、弾道ミサイルの赤外線をキャッチする、アメリカの早期警戒衛星の受信・解析所、パイン・ギャップ米豪共同基地(参照:下写真)があり、弾道ミサイルが発射されれば、豪政府には手に取るように分かるはずだ。

ただ、赤外線の情報なので捕捉できるのは、まず「ブーストフェーズ」。次の「ミッドコース」の弾道ミサイル/弾頭をイージス艦のSM-3迎撃ミサイルが迎撃する。「ターミナルフェーズ」を担当するPAC-3システムが防護できるのは、PAC-3ミサイルの発射機から20km余り。

「ミッドコース」を過ぎれば、防護できる範囲は狭まる。できる限り「ミッドコース」で迎撃しなければならないのなら「5分」は短く、急がなくてはならない。

ところで、パインギャップでは、日本周辺を含め、太平洋からインド洋にかけて、弾道ミサイルの発射のみならず、戦闘機や爆撃機、巡航ミサイルの噴射熱も解析できる場合もあるといわれる。

日本の地上レーダーでは確認できない、北朝鮮・中国・ロシアの奥地などから離陸する軍用機の動きも掌握できれば、日本の戦闘機の緊急発進(スクランブル)をもっと、合理化できるかもしれない。日豪の安全保障関係を強化する中で、オーストラリアがどんな能力を保有していて、日本の防衛にとって有用なのはオーストラリアのどんな能力か、正確に見極める必要性がある。