外出自粛が続く中、しいたけの菌床栽培が人気

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出自粛を続けている人は多いだろう。さらに東京都の小池知事は23日、大型連休に当たる4月25日から5月6日までの12日間を「ステイホーム週間」と銘打ち、外出自粛継続の必要性を強調している。

いつまで続くかわからない在宅生活で新たな楽しみを探している人もいると思うが、今、自宅で簡単にできる“しいたけの菌床栽培”が人気だという。菌床栽培とは、木のおがくずやとうもろこしの芯などを集めて作ったブロックにしいたけ菌を充満させてしいたけを育てる方法だ。

横浜市の永島農園では、しいたけの菌床ブロックを販売したところ、わずか1週間で100件以上の注文があった。

なぜ、しいたけの菌床の販売を始めたのだろうか? そして育てるのは簡単なのか? 永島農園の永島陽子さんに詳しく話を聞いてみた。
 

しいたけの菌床は1100円(税込)
しいたけの菌床は1100円(税込)
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室内でも楽しめるものがないかと考えて販売

――今回のコロナの影響はやっぱりある?

出荷量はほぼ9割減まで落ち込みました。


――しいたけの菌床のオンライン販売、なぜ始めたの?

大々的にHPで販売を始めたのが、4月10日頃です。家にいることが多くなっており、外出もできない中で、何か室内でも楽しめるものがないかと考えたためです。また実際自分の家でしいたけを育ててみたら、子供が予想以上に喜んでいたので、色々なご家庭でも楽しんでいただけるのではないかと思ったため、始めました。

――どのくらい注文があった?

発売して1週間で100件以上の注文をいただいています。

直射日光を避け、時々、霧吹きで湿度を保つだけ

――どうやって育てる?

しいたけを育てるコツは、気温と湿度です。今はしいたけにとってほどよい気温なので、直射日光を避けるだけで育ちます。湿度が重要で、湿度を保つために、時々霧吹きなどで水をかけます。肥料や農薬は一切必要ありません。

約1週間で20個前後が収穫できます。浸水という水に漬ける作業をすると、また椎茸がニョキニョキ生えてきて、​4~5回は椎茸の栽培を楽しめます。

――しいたけ栽培の魅力は?

みなさま、植物を種から育てた経験はあるかと思いますが、菌床で育てる経験はなかなかないため新鮮な体験ができることではないでしょうか?

また、成長の早いしいたけは、朝と夕方でサイズが違うので、小さなお子様もその変化を楽しめます。その場で収穫した後、すぐに調理して食卓に並べることもできます。自分で育てて、収穫した椎茸は味も格別。椎茸を食べられなかった方が食べられるようになることもしばしばあります。

しいたけの中には、最初に出てくる小さな赤ちゃんしいたけやふたごしいたけなど、スーパーでは見られないしいたけが見られます。ラッキーな方は、ハートしいたけを見つけられるかもしれません。そういった部分も魅力なのではないでしょうか?

――お客さんからの声を教えて

・子どもがしいたけを食べられるようになった
・子どもから親に、祖父母から孫に、海外の方から日本の家族にプレゼントしてとても喜んでもらった
・今の唯一の楽しみ
・育てる喜び、食べる喜び、生きる喜びを感じられた 
と言った声をいただいています


――しいたけ菌床は4月いっぱいで販売終了するとか?

しいたけは夏が苦手でして、初心者の皆さんに失敗してもらいたくないため、4月いっぱいで終了する予定です。なお、6月からキクラゲの販売を検討しています。キクラゲは暑さに強く、夏の栽培に向いています。
 

外出自粛でストレスがたまりがちな今、ニョキニョキと生えるきのこを見ることが、もしかしたら癒しにつながるのかもしれないし、成長が早く朝と夕方でサイズが違うので子どもも変化を楽しめる。さらには、自分が育てたきのこを食べられるという楽しみもある。
自宅にこもる日々はまだまだ続きそうなことから、新たな楽しみとして挑戦するのもいいかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。