マリンレジャーシーズンの始まりともに県内では釣り人による海難事故が相次いで発生しています。新潟市の防波堤では13日も立入禁止区域で釣りをする人の姿が。その危険性を取材しました。
新潟市西区の新川漁港。
【記者リポート】
「午前8時頃の新川漁港。向こう側には人が立ち入れないようにフェンスが置かれているがそれを乗り越え釣りをしている人が見られる」
フェンスをかいくぐり立入禁止区域へと向かう釣り人の姿。中には防波堤から身を乗り出す釣り人も。
県内の防波堤ではこうした釣り人の姿が後を絶ちません。釣り人はなぜ危険を顧みず立入禁止区域へと向かうのか直撃すると…
【釣り人】
Q.今釣りをしていた
「雨が降ってきたからやめた」
Q.何時間くらいいた
「知らん」
Q.立ち入り禁止だと言うことは知っていた
「…」
中には大きな魚を手にする釣り人も…
【釣り人】
Q.この魚は何
「スズキ」
Q.立ち入り禁止区域に入るのは何か理由が
「特に理由はない」
Q.こういった場所の方が釣れる
「それはある。波が高かったり、風が強い日は行かないようにしているけど」
立入禁止区域の防波堤をめぐっては、2019年に新潟市西蒲区の巻漁港で釣りをしていた男性が海に転落し死亡。村上市の岩船港では2日、70歳男性が海に転落する事故も発生しています。こうした事態に行政側は…
【記者リポート】
「こちらのフェンスは大型連休前に新しくなりました。返しが付いていて、釣り人が簡単に立ち入れないようになっています」
新潟市では4月、1つのフェンスの対策を強化。13日、その漁港では立ち入る人は見られませんでしたが、別の防波堤のフェンスでは有刺鉄線を切られる行為もあったと言います。
新潟海上保安部の三國登志夫課長は立ち入り禁止区域の危険性について…
【新潟海上保安部交通課 三國登志夫 課長】
「防波堤は基本的にある程度の高さがあるので、落ちて海中から自らの力で上がるのは大変」
また、立ち入り禁止区域での釣りだけではなく、ミニボートなど小型船舶の事故にも注意が必要だと話します。
【新潟海上保安部交通課 三國登志夫 課長】
「気軽に乗れる反面、風に弱かったり、少しの波でも影響を受ける」
4日、村上市の笹川流れでは釣り人が乗ったボートが沖に流され、岸に向かって泳いでいた男性が死亡するなど、5月だけでボートの事故が3件発生しています。
【新潟海上保安部交通課 三國登志夫 課長】
「ミニボートの乗船中は立ち上がらないとか、ある程度風や波が出てきたときはすぐに引き返すなど、自己防衛策をとっていただきたい」
マリンレジャーシーズンの始まりとともに相次ぐ海の事故。マリンレジャーを安全に楽しむためにもルールを守ることが重要です。
新潟海上保安部は立ち入り禁止区域に入らないことはもちろん、万が一の場合の事故に備え、ライフジャケットの着用や通信手段を確保するよう呼びかけています。