海上自衛隊のP-3C哨戒機が13日未明に撮影した写真(タイトル写真)を見ると、船が船に横付けしているのが確認できる。

政府は14日、東シナ海で北朝鮮船籍のタンカー「Rye Song Gang 1号」が中米のベリーズ船籍のタンカー「Wan Heng 11号」に横付けし、積荷を移し替える作業、いわゆる「瀬取り」と呼ばれる密輸を実施した疑いがあると発表した。

場所は、中国・上海の東およそ250kmの東シナ海の公海上だ。外務省は、国連制裁決議で禁止されている「瀬取り」を行っていた疑いが強いとみて、国連に通報した。

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日本政府は先月も同じように、北朝鮮船籍による「瀬取り」を確認しているが(参照:上写真)、その際も使用された船は今回のものと同じ、「Rye Song Gang 1号」だった。同じ船が二度も瀬取りをしたのなら、国連の経済制裁の有効性に疑問符が付くかもしれない。

そんな中、アメリカ太平洋軍のハリス司令官は14日、金正恩委員長の長期目標は「共産主義政権での半島統一だ」と述べた。

アメリカ軍の準機関紙「STARS & STRIPES」によると、ハリス司令官は「我々が北朝鮮の核は、態勢を守るためと考えているなら、それは自ら制限していることだと思う。

金委員長はそのあとで、共産主義体制での統一を考えていると思う」と発言した。この言葉の通りなら、北朝鮮の現体制維持を国際的に何らかの手段で保証することが、北朝鮮の非核化の取引条件になりえないということだろう。
また、ロイター通信などによると、アメリカのコーツ国家情報長官は13日、上院の公聴会で「北朝鮮への対応をめぐり、決断を下すときは近づいている。北朝鮮は交渉によって核兵器を放棄するつもりはない」と発言したとのことだ。

この厳しい情勢認識に続いて、14日にはアメリカの弾道ミサイル発射監視船の「ハワード・O・ローレンツェン」(参照:下写真)が佐世保に入港した。

二つの丸はアメリカ空軍がたった一つしか保有していない「コブラ・キング」と呼ばれる弾道ミサイル追尾用レーダーのアンテナ。

赤丸で囲ってあるのは「Sバンド」のレーダー・アンテナで、多数のミサイルがどう飛んでいるかをリアルタイムで捕捉し、黄色い丸で囲ってある「Xバンド」のレーダー・アンテナは、モノクロ写真の高速撮影のように弾道ミサイルや、そこから分離した弾頭部を捉えるといわれる。

北朝鮮が、飛翔体を発射した場合、それが、新型弾道ミサイルかどうかを判断し、性能を探るためには、この「コブラ・キング」のデータが重要な役割を果たすのだろう。”平和の祭典”平昌オリンピックが続く中、アメリカ軍は、もう、次の事態を視野に備え始めなければならないのかもしれない。