中国国営・新華社通信は9日、中国空軍スポークスマンの発表として「中国が独自に開発した新世代のステルス戦闘機J-20(タイトル写真)の戦闘能力を完全に形成する空軍戦闘部隊を展開し始めた」と発表した。

新華社通信の記事によるとJ-20は、2016年11月に広東省珠海(ズーハイ)市で開かれた、国際航空宇宙ショーで一般公開されている。空軍の部隊に配備されたのは昨年からで、実戦に備えた試験飛行等を繰り返していた。

今回の発表は、配備先が訓練部隊や試験部隊ではなく、”実戦部隊だ”ということを強調したいのかもしれない。

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発表のタイミングを整理してみると、米海兵隊のF-35Bステルス戦闘機が去年1月から11月に掛けて16機配備され、米空軍のF-35A、12機が昨年11月から半年の予定で一時配備された。航空自衛隊の三沢基地の「臨時F-35A飛行隊」にF-35Aが引き渡されたのが今年の1月26日で、訓練飛行開始が2月6日だった。

さらに、今月3日から11日に掛けて開かれていたシンガポール航空ショーには、F-35Bが2機、かつて世界最強の戦闘機とうたわれたF-22Aも2機、中国が海洋進出を進める南シナ海に、目と鼻の先にあるシンガポールに派遣したことになる。(参照:上表)  

中国のステルス機としてのJ-20の外観上の特徴は、機首の左右にあるカナード(参照:上写真)と呼ばれる小さな翼で、これはアメリカやロシアのステルス戦闘機にはない特徴だ。

米F-22A、露Su-57(参照:下写真)は、エンジンの噴射口の向きを変え、機動性を高めているが、J-20には、そのような仕組みはない。カナードは、機動性を確保するための仕組みともいえそうだ。

日米のF-35A、F-35Bステルス戦闘機の配備が進む中、実戦配備されたJ-20が、中国軍に先に配備されたステルス機ではないものの、強力なレーダーを持つSu-35S戦闘機(参照:下写真)とともに、南シナ海や東シナ海を哨戒飛行するようになれば、中国側の日米豪に対する新たな牽制となるのかもしれない。