合志市にある国立療養所菊池恵楓園の歴史資料館が13日オープンします。
入所者の高齢化が進む中、ハンセン病問題を後世に語り継ぐ新たな拠点として期待される施設を取材しました。

【菊池恵楓園入所者自治会 太田明副会長】
「ハンセン病問題を風化させないためにもこの資料館が果たす役割は非常に大きい」

国立療養所菊池恵楓園に13日オープンする新たな資料館。
従来の資料館「社会交流会館」を改修し、本館として使用するとともにその隣に平屋の新館を増築しました。

入所者自治会が国の協力の下、7年の歳月をかけて整備しました。

「資料館のコンセプトは『あなたはわたし、わたしはあなた』です。
人をつなぎ歴史をつなぐ新しい資料館でありたい」

4月22日、報道陣向けに入所者自治会の太田さんが施設を案内しました。

【ガイダンス映像】
「ここにはたくさんのハンセン病患者が閉じ込められていました」

来館者はまず本館で、ハンセン病問題についてまとめたガイダンス映像を視聴します。

映像を投影するスクリーンには、コンクリートの壁が使われています。

これは、かつて園と外部を隔てた「隔離の壁」の一部で、患者の隔離政策の象徴とされています。

次に、渡り廊下から新館へ。
入り口にはハンセン病によって変形した手の彫刻が展示されています。

入所する夫婦の手を型取りして作成されたものです。

【解説】
「大きい方が旦那さん、小さい方が奥様の手」

病から回復しても元には戻らない変形した手、入所者の生きた軌跡を示しています。

【学芸員 原田寿真さん】
「個人を象徴する手の彫刻を見てもらうことで、入所者一人ひとりの生きてきた歴史に思いをはせていただければ」

新館には、映像や写真を数多く展示、来館者が視覚的にハンセン病問題を学べるような工夫が施されています。

「これは現物です。刑務所の独居房ですね」

こちらは、菊池恵楓園に隣接し取り壊された旧菊池医療刑務支所の独居房を復元したものです。

旧菊池医療刑務支所は全国唯一のハンセン病患者専用の刑務所で、法の上でも患者が差別を受けていたことを伝えています。
また、ハンセン病の症状を体感できる展示も…。

「普通の人にはこう見えるんですけど、入所者の目にはこうしか映らない」「かなりまぶしいですね」「常に室内でもサングラスをしていないと、目への刺激が強すぎる」

手に障害がある入所者が食事の際に使う道具の体験もできます。

また、入所者の思いを来館者に分かりやすく伝える仕掛けも・・・。

【声:入所者自治会・志村康会長】
「どんなにつらくても死んだらだめだよ、人生は生きる価値があるのだから」

【学芸員 原田寿真さん】
「『どんなに差別にあってもどんなに苦しいことがあっても何とか生き抜いてほしい。そういう心の強さを持ってほしい』(という志村さんの思い)」

【菊池恵楓園入所者自治会 太田明副会長】
「ハンセン病問題を発信して、偏見と差別について考えていただく、そういう人権博物館として今後、発展することを期待しています」

菊池恵楓園の歴史資料館は13日記念式典があり、14日土曜日から一般公開。
歴史資料館のホームページからの予約が必要です。
休館は日曜と月曜
入館無料

テレビ熊本
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