元気な74歳の男性が夢を実現です。出雲市の男性が建てたのは「ツリーハウス」、近所で評判になっています。このツリーハウスに込められた特別な思いを取材しました。
出雲市の山間に建つ2棟のツリーハウス。そのうち1棟は、2本のヒノキが床と壁を貫通。広さ3畳ほどの部屋には机やイスが置かれ、貫通するヒノキを避けてもちろんくつろぐこともできます。そしてもう1棟は、2本の松の木が家の部分を支えるように建っています。実際に登ってみると…。

福村 翔平記者:
「すごい…木の上に建っています。まさにツリーハウスですね。1畳ぐらいの広さがあります」

その位置は、地上から6メートル。下を見ると足がすくむような高さです。

青木 美範さん:
「いろいろな経験をしてますし、約50年前から設計事務所やってますからね」

ツリーハウスを造った青木美範さん74歳。市内で設計事務所を営む1級建築士です。今年の春、自宅の庭先に自ら建てました。

福村記者:
「結構揺れるけど丈夫ですね」

気になる安全性ですが…。

青木美範さん:
「葉っぱが生きた木に載せているから安心ですわ。自信があります。毎日そういう設計の仕事はしてるので」

若いころの大工経験を活かして設計・施工していて、多少の雨や風は大丈夫だといいます。ところでこの2棟のツリーハウス、使用した木材に特別な思いがあります。

青木美範さん:
「裏山が崩れてその下敷きになって、泥の量が多くてこれを助けて出すことができなかった」

去年7月、島根県東部を襲った記録的な豪雨。青木さんの自宅の裏山が崩れ、杉の木が屋根に倒れ掛かり、自宅は半壊。大量の土砂が流入し、仕事用に保管していた木材の多くが使えなくなってしまいました。

青木美範さん:
「何かをして気を紛らわさないことには大変だったですからね。水害からの気を紛らわす手段だった」

いつまでも沈んだ気持ちではいられないと一念発起。使えない部分を自らカット。
ほぼ一人で作業し、わずか3カ月ほどで2棟を完成させました。

青木美範さん:
「同じ造るならよく造ったねと言われるものを造りたかった」

74歳の今、技術と経験を生かし作り上げた夢の遊び場。豪雨被害から10カ月。
災害を乗り越えた象徴として、このツリーハウスが新たなスポットになることを期待しています。