海上自衛隊最大級のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」の空母改修論がにわかに話題になっている。

「いずも」の実質的な空母化は東シナ海への進出を活性化させている中国の動きを念頭に、南西諸島など離島の防衛力を強化する選択肢のひとつとして防衛省を中心に政府与党の一部に検討する動きがある。

「いずも」は広くて長く耐熱性に優れ、滑りにくい甲板を備えているため、短距離での発進が可能なアメリカ海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F-35Bの運用を前提に建造当時から将来の空母化の可能性が囁かれ、防衛省幹部は「改修すれば、物理的には『いずも』でも運用できる」との見方を示している。

一方、小野寺防衛大臣はこの件について26日、会見(写真下)を行った。

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小野寺防衛大臣は「具体的な検討は行っていない」としながらも「防衛力のあり方に関して不断に様々な検討を行っている」とも述べ、敵国への攻撃も可能な空母の機能を自衛隊が持つことについて、国内外で議論になると予想される。

かつての国会内の議論を見てみると日本が持たないことになっているのは「攻撃型空母」という種類のものだ。

まず空母に搭載する飛行機についてだが、攻撃機とは敵地に敵・味方が混在する場合や、敵の施設、装備等を「点」で狙うことに特化した軍用機のこと。そして戦闘機は、敵機との空中戦が可能な軍用機のことを指す。

さらに爆撃機は爆弾やミサイルで敵地を面で潰していくための軍用機を指している。
昭和53年(1978年)の国会答弁では「艦上攻撃機を主力とする軍用機を搭載、それを直接援護する戦闘機も積んでいる」という空母を「攻撃型空母」と説明している。

しかしながら現在は空母艦載機においては戦闘攻撃機は存在するが純粋な攻撃機というものが事実上存在していない。ということで、そもそも「攻撃型空母」というものは存在しないという議論になるかもしれない。

存在しないものを持たないと言っているなら、他の空母なら持てるのか?という難しい話になりそうだ。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)