国連の安全保障理事会は23日、先月の北朝鮮の弾道ミサイルの発射を受けた新たな制裁決議案を全会一致で採択した。

決議は北朝鮮への石油精製品の輸出量の上限を年間200万バレルから50万バレルに引き下げる。これにより石油精製品の輸出は約89%削減されるほか、海外に約10万人いるとされる北朝鮮労働者の2年以内の送還を求めている。中国やロシアも今回は賛成に回った。

今回の制裁で北朝鮮唯一の航空会社、高麗航空の旅客機のスペアパーツは制裁の「例外」としている(下:リスト)。
国連決議で国営航空会社の機種名まで細かく指定していることはまれだ。

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その機種を精査してみると高麗航空の大型貨物機イリューシン76MDだけは例外リストに載っていない。つまりスペアパーツを供給しないという制裁対象になっている。

北朝鮮はイリューシン76MDを1機か2機保有しているはずだが、この機は空挺部隊を載せて軍用にも使える。それが判断の分かれ目だったのかもしれない。

さらに厳しいのは船舶押収の件。

国連安保理は加盟国に対し、船から船への移転や石炭など禁止製品の密輸、石油を違法に供給している「領海内」の船舶を押収、検査、凍結することを認めたとある。

「公海上」で行う臨検行為については戦争行為とされており、領海での船舶押収は戦争行為ではないものの、かなり厳しい内容だ。

北朝鮮外務省は24日、新たな制裁決議について「平和と安定を破壊する戦争行為だ」と非難する声明を発表した。そのうえで声明は「自衛的な核抑止力をされに力強く築いていく」と今後も核開発を続ける姿勢を強調、金正恩委員長は23日朝鮮労働党の末端組織の幹部らを集めた大会で演説し(写真)、「団結した力で闘争してこそ敵のいかなる制裁も退けられる」と述べている。

緊張はさらに激しく増していることを認識しておきたい。

(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)