ジンと言えば海外産…と思っているあなた!実は今、ソーダで割った商品が大ヒットするなどジャパニーズジンの人気が急上昇しているんです。国内のみならず世界に市場を広げているジャパニーズジンの魅力をジンづくりのレジェンド、サントリースピリッツ技術顧問の鳥井和之さんに聞きました。

大手飲料メーカー、サントリーの大阪工場。この地で作られているのが、ここ数年で人気が急上昇している国産ジン「ROKU(六)」と「翠(SUI)」です。

ジンといえばかつては輸入品が主流でしたが、去年、国内市場で国産品が輸入品を逆転。さらに「ROKU」は高価格帯のジンとして世界での販売数2位と躍進している他、ソーダで割って飲む「翠ジンソーダ」が国内で人気となっている「翠」も4月からアジア向けに輸出を始めるなど、国産のジンが今、ワールドワイドな広がりを見せているんです。

その強みについて、およそ40年にわたってジン作りに携わってきた“ジンづくりのレジェンド”鳥井和之さんは…。

サントリースピリッツ 技術顧問 鳥井和之さん:
「私は1980年にサントリーに入ったんですけれども、入社当初は山崎蒸溜所から働くのをスタートしたという経緯があります。その後研究所に移って穀物から作るお酒の研究していたんですけれども、それがだいたいジンとかウォッカとか、あるいは焼酎であるとか、ソフトドリンクのベースアルコールであるとかに使うんですけれども、それをしていたという経緯があって、その後、ジンとかウォッカ、それからリキュールとか、焼酎の製品の開発にずっとその後携わってきたんですね。」

「その途中で一番エポックメーキングなのが、プロフェッショナルですね。あ、これだ。これが1981年に弊社が出したもので、私が1980年入社なんですけれども、81年に作られたものでプレミアムジンのはしりだったんですね。それで、ものとしてはロンドンタイプのドライジンで当初ジンのスタンダードは800円ぐらいだったんですけど、1800円ぐらいで売られた商品になります。

ですから、輸入されていたジンには負けない品質と思って作った製品になるんですね。これは私担当してないんですけれども、研究所の方に移って、これを作った人の後ろ姿をずっと見ていて、これは残念ながらなかなか数量が日本の市場も、小さくて大きくならなくて、10年後に終売したという商品なんですけれども、いつかはやっぱりあの世界のジンと戦える商品を作りたいとずっと思っていたという経緯があります。」
 

世界に誇れるジャパニーズジンを作りたい。そこで鳥井さんがこだわったのが柚子(ゆず)や、緑茶、生姜(しょうが)といった日本伝統の“和の素材”です。

和の素材が持つ独特の甘みや深み。その良さを最大限に活かした作り手のこだわりが日本、そして世界の人にも喜ばれるジャパニーズジンを生み出しました。

サントリースピリッツ 技術顧問 鳥井和之さん:
「日本市場だけではなく海外市場も対象にジャパニーズのジンを開発しようと、その時にやはりロンドンタイプのドライジンということではないですから、その時のコンセプトとして、やはり日本で作るものであるので、日本のものづくりの考え方を入れたジャパニーズクラフトジンという形のものを開発しようということで作ったのが、今回のROKUということになります。

その後ROKUというのはもちろん、オーセンティックバーであるとか、バーテンダーさんに色々日本的なものというのを感じながら、カクテルを作っていただきたいと思って作った商品なんですけれどもやはり日本のボタニカルを使っているということで口当たりも良くて、ソーダで割っても水っぽくならないとか、非常に優しい味わいで食事と合わせても邪魔をしないとかいう特徴があったので、ソーダ割りで日本食にも合わせて頂くというような取り組みをさせていただいてました。

その後にそれならば、食事に最も合うジンというのをソーダ割りで作ろうじゃないかということで開発したのが今回の翠ということになります。そういう意味ではソーダ割りで非常にいろんな幅広い食事に合うという中身に設計したのが翠ということで、ROKUはどちらかというと少し、あっさりした。私的には、白身の魚の刺身であるとかだし巻きであるとか、非常に繊細な日本料理に合うと思っていますので、それぞれ特徴的なジンに仕上がっているかなというふうに思っています。」

ーーちょっと話、大きくなりますけれども、鳥井さんが思うジンの魅力ってどんなところですか。

ジンの魅力はやっぱり作り手からいうと非常に自由度が高いんですね。ですから本当に自分の作りたい味わい、あるいは、どういう場面で楽しんでいただきたいか、というのを踏まえて、原材料を選べるであるとか、あるいは、原材料に合った作り方というのをいろいろ幅広く設備を使いながら選択できるという意味では、非常にものづくりとして楽しいというところがあります。
 

ーーその中で選んだのが和の素材ということ。

そうですね、はい。
 

ーーなるほど、その和の素材にこだわった理由。もちろん日本独自のと言うところあると思うんですけれども、どうしてもこだわりみたいなところは、どんなところですか。

もともとROKUを開発した時に大元あったコンセプトというのはジャパニーズクラフトというコンセプトなんですね。ですから飲んでいただいて日本を感じるということなんですけれども、それがどういうことが日本の味わい、あるいは、日本を感じていただけるということなのかということを考えた時に、元々のジンは非常にシャープな味わいというのがドライであるとかいうものが多いんですけれども、やはり、日本のイメージというのは、もう少し柔らかくて、かといって弱いということではないということで、そういうイメージでジンをつくろうとしたんですね。

その時にたとえば、レモンじゃなくて柚子というのは、日本人の方ならみんなわかると思うんですけど、同じシトラスでもすごく柔らかかったり、味わいがあったり少し甘い感じ。レモンはすっぱい感じです。というのがあったりして、非常に日本的なので、そういう風な日本的な味わいのものを積み重ねて日本を感じていただきたいということでいろいろ原料を選んだという経緯があります。
 

和の素材を使うことで、和食との親和性も高いこれらのジン。今後はさらに世界を舞台に飛躍を続けます。

ーー日本人に受けていると言うところも、もちろんなんですけども、これから、さらに世界へと言うところだと思います。その国産ジンの強みっていう、また、改めて、どういったところですか?

一つはやっぱり飲んでいただく楽しむ場面というのをある意味これから翠というのは、アジアの方に紹介していくわけなんですけれども、食事と合わせるというのは、海外ではジンとプレミアムミキサーで、トニックで割って飲まれるという方が多かったんですけれども、そうではなくてソーダでジンそのものの味わい特徴というのを合わせながら、食事と楽しんでいただけると言うドリンキングスタイルというのは、今回初めてご提案させていただくものですので、そういうのに非常に合うジャパニーズのジンという形で楽しんでいただけたらいいなと思っています。

ーー鳥井さんのジンづくりのこだわりは?

ROKUというのはいろんな日本のボタニカル使ってるんですけど、例えば柚子の香りがついているからジャパニーズだということであったりあるいは、お茶の浸漬酒を使っているからジャパニーズだということではなくて、飲み方であったり、あるいは全体の香りのバランスであったり。その先ほどお話したすごい柔らかいニュアンスの香りであったり、味であったり。でも、やはりソーダで割っても水っぽくならないような強さだったりというようなものをジャパニーズという形で表現していますので、それを海外の方にも感じていただけたらなと思って、作らせていただいています。
 

ーー実際に海外の方から、どんな反応、すでになんかいろんなお声聞かれてますか。

例えばROKUの場合はバーテンダーさんが主に使われる場合も多いので、よく話を聞くんですけど、やはり山椒であるとか桜であるとか、柚子というのが非常に特徴的な香りなので、その濃度であったり、温度であったりで、特徴というのはバランスが変わるんですが、それを感じていただくことによって、バーテンダーさん自体も、すごいイマジネーションがわくというか、これを使ってどういう風なカクテルにしようかというような、イマジネーションがわくというふうに伺っていますので、そういう意味では非常にジャパニーズの特徴をどういう風に料理してっていうバーテンダーさんはある意味料理人みたいな形になりますので、そういうのはすごい掻き立てていただいているというのは本当に嬉しいことだなというふうに思っております。
 

ーーでは最後に鳥井さんの今後の夢と、展望、こんなものつくっていきたいとお聞かせください。

ROKUに関してはあの翠もそうなんですけれども、今、あのジャパニーズクラフトのジンていうのは本当に日本全国色々なところから出ていて、いろんな味わいのものが出てきています。今やはりジンというとオランダのジンであるとか、ロンドンのドライジンであるとか言うのが、大きなカテゴリーになってるんですけれどもこういったジャパニーズのジンが色々出てくることによって、ジャパニーズジンというカテゴリーがあるんだなというふうに皆さんに感じていただけるようになったらいいなというのと、特に翠に関しては飲み方の提案になりますので、世界ではもう流行っていると言って頂けるような知名度になったらいいなというふうに思っています。

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