政府は、19日の閣議で地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」2基の導入を決めた。

値段や性能などは決まっていないとのことだが、高く飛んで近くに落とす「ロフテッド軌道」の弾道ミサイルに対応できる迎撃ミサイル「SM-3ブロック2A」や迎撃ミサイルを誘導するレーダーについても探知距離が従来のSPY-1の4倍になるという新型レーダー「SPY-6」をイージス・アショアに搭載することを日本政府は検討したいとのことだ。

さらに、弾道ミサイル対処だけではなく、レーダーで捕捉しにくい海上や陸上ぎりぎりの低空を飛ぶ巡航ミサイル対処能力についても検討したいようだ。北朝鮮は巡航ミサイルを保有しない。ではなぜ巡航ミサイルが気になるのか…。

防衛省・統合幕僚本部によると中国軍のH-6爆撃機2機、スホーイ30戦闘機2機、ツポレフ154情報収集機1機が18日、午前から午後の数時間、東シナ海から対馬海峡を通過し日本海に至り、その後反転して再び東シナ海方面へ飛行した。

また、18日午後の数時間、Y8電子戦機1機がバシー海峡方向から先島諸島の南の太平洋を経て沖縄本島と宮古島間を通過して東シナ海に至る長距離飛行をした(図下)。

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中国の戦闘機が日本海に進出したのを確認したのはこれが初めてとのことだ。

今回の飛行については、中国のテレビ局が離陸と飛行中の映像を公開している。つまり、今回の日本海進出飛行を誇示しているわけだ。

航空軍事評論家の石川潤一氏によると、このスホーイ30戦闘機(写真下)は、安徽省蕪湖(あんきしょう・ぶこ)基地の中国空軍第9航空旅団所属のスホーイ30MKK戦闘攻撃機とのこと。

またスホーイMKKが護衛するように飛んでいたかもしれないH-6K爆撃機2機は、安徽省安慶(あんけい)基地の中国空軍第10轟炸機(ごうさくき)師団 第28航空連帯所属機(写真下)とのことだ。

画像のH-6K爆撃機は、左右の主翼の下に射程1,500㎞以上を言われる「長剣20型」巡航ミサイルの訓練弾を吊り下げている(黄色い楕円)。訓練用なので発射はできないが、実弾なら日本列島のほぼ全域に届く可能性がある。

そして、今回この編隊に対する日本側の反応をツポレフ154情報収集機でデータ収集しようとしていたのかもしれない。

これだけの性能の巡航ミサイルを抱えた爆撃機が日本海にまで進出する能力を今回中国はメディアを通じて誇示したわけだ。日本政府が巡航ミサイル防衛を検討するというのも当然と言えるかもしれない。

(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)