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米国と中国の間で、貿易問題・台湾旅行法問題が顕在化する中、北朝鮮の要人を乗せたとみられる列車が、3月26日、中国入りした。

この列車(タイトル写真)は、緑色を基調とした7両以上の編成。

駅では「KUAYUE」(参照:上写真)と書かれた色の異なる2両の機関車が、繋がれた。

これは中国の運輸・旅行会社のKYEエクスプレス社のことのようで、線路の入れ替えだけでも入念に行う必要があったということかもしれない。

韓国のハンギョレ新聞インターネット版(3/27)は、訪問者は金正恩委員長で、習近平主席と会談した、と報じた。

もしも訪問者が金正恩委員長なら、2011年の就任後、初の海外訪問先が中国になったことになるうえ、習近平主席との会談が実現したのなら、4月中とされる南北首脳会談、5月までとも言われる米朝首脳会談に先んじ、かつ、米韓合同演習開始を来月4月に控えた状態で、中朝首脳会談が実施されたことになる。

北朝鮮の核問題を中心課題としてきた六者協議(米、露、韓、朝、中、日)は、2008年以来開かれていないが、中国が議長国だ。

中国にとっては、北朝鮮の核問題で、再び六者協議を再開させる、あるいは他の枠組みを試みて主導権を握るチャンスとなるかもしれない。

この北朝鮮要人の中国訪問について、韓国大統領府関係者は「数日前から、北朝鮮要人が訪中する動きがあった」と明かした上で、「中朝関係の改善は肯定的なシグナルだ」と歓迎したという。

だがこの一連の動きは、朝鮮半島の非核化、北朝鮮の弾道ミサイル開発・配備の放棄、拉致問題解決につながるのだろうか。

南北、米朝のような二国間会談ではなく、六者協議なら、参加国が増え、話し合いの事前準備は複雑化し、合意形成には「時間」を必要とするかもしれない。

では、その「時間」を使って北朝鮮は何をするだろうか。

米国の北朝鮮専門研究機関「38North」(3/27付)は、2月25日に撮影された衛星画像を分析し、北朝鮮・寧辺核施設の建物から蒸気が出ていることや、原子炉周辺の凍結した川の氷が解けていることから

「5000キロワットの原子炉が稼働を続けている兆候であり、通常、稼働していれば、川の周辺に冷却水が排出される」
「原子炉が稼働しているという結論を裏付けるような、冷却水の排出は確認されていない。しかし北朝鮮が、冷却水排出用パイプを川の中まで延長することで、水の排出作業を隠匿している可能性は排除できない」
「再稼働は(核兵器に必要な)プルトニウム生産を意味する」

としている。

朝鮮半島非核化のための協議を真剣に行おうとするが故に、かえって、北朝鮮に「核大国」化のチャンスを与えては、後々、日米にとっては苦しいことになりかねないのではないか。