2月26日に政府は働き方改革法案に関し、裁量労働制の適用拡大の実施を1年延期する方向で検討に入っている。厚生労働省が示した労働時間の調査結果のデータに不備があり、野党は法案提出に強く反対している。

この働き方改革法案について、ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説する。
(聞き手:ニッポン放送『あさラジ!』高嶋ひでたけ)

働き方改革関連法案に野党サイドは対決姿勢

高嶋:
働き方改革関連法案ですが、雲行きが怪しくなりました。
法案は通すけれど、実施は1年先送りするみたいな情勢になってきました。

これはどういうことでしょうか?

須田:
この法案というのは、昨年の選挙が終わった後の臨時国会で議論すべき話だったものが、森・加計問題があり、期間が短いということもあって先送りされました。

ただ、その昨年議論されるはずだったこの法案に関して野党サイドとしては、特に野党第一党の立憲民主党は対決法案に位置付けたのです。

高嶋:
それはどういうものですか?

須田:
対決法案とは何かと言うと、「中身がどうであれ反対するぞ」ともう結論先にありきものです。

高嶋:
もう審議する前からですか?

須田:
前からです。

もう1点ポイントがあり、立憲民主党は国対委員長に辻元清美さんが就任されて、「国対政治については一切やりません。水面下、机の下ですり合わせなんてしないよ」ということを明確に打ち出しました。

完全にこの法案に関しては、国会で中身がどうとあれ、野党は与党の攻撃材料に使うというのが、国会審議前からもう決まっていた、そういう法案です。

なので、相当慎重な審議が要求されました。

結論から言えば、結果的にどうなっても、強行突破。強行採決に踏み切るというのが、今からもう明々白々です。

法案が適用されるのは「働く人全員」ではない

高嶋:
いつもの図式ですね。裁量労働制は、私も本当に不勉強だなと思いました。

私は、今度のこの働き方改革法案というのは、働く人全員に適用されるものかと思ったら、そうではないと。

須田:
そう受け止めている方は多いと思います。

残業代ゼロ法案とレッテルが貼られたわけですから、すべての働く人たちにそういう状況が降り掛かってくるのかなと思ったら、「高度プロフェッショナル」という。こんな「高度プロフェッショナル」という呼び名も疑問ですが、「高い技術を持っている人」、そして年収1,000万超えてくるような、そういう人たちに限って、「残業代を一定程度で納めましょう」ということなんです。

高嶋:
具体的に職業でいうと、どんな人たちですか?

須田:
例えば証券関係のディーラーや技術者、専門職の人。

そういった人たちに関しては、一定程度の残業代を渡して、その範疇の中で仕事をしてくださいよということです。工場で働いているわけではありませんから。

高嶋:
ですが、国会の論争を一部聞いただけですが、誰にでも当てはめられるような質問が多いですよね。

残業ゼロ法案など、今までだったら残業したら貰えていたのが、貰えなくなるみたいな、そういう話をしているじゃないですか。

職種・業種に関しては国会の議論がない省令で決められる

須田:
そう、曲げて受け止めることも不可能ではないんです。

先ほど言ったような職種・業種に関して、法律上明記されているわけではなく、省令で決められる。また、別途のルールの中で決めますよと。

そこを変えてしまえば、省令を変えるということは国会の議論は必要ありませんから。

高嶋:
この根本だけ通しておけば、あとは省令で何とでもなるという…。

須田:
なし崩し的にどんどんどんどん広がっていくのではないかと。

高嶋:
だから野党が言う危険性も残っているのだと。

須田:
そういうことも言えば、言えないこともないなということですね。

高嶋:
例のデータの不備、何か古めかしいデータ出して、それが違うの合ってるのと揉めていますが、働き方改革国会だと総理が言うのであれば、完璧なデータを出して、真正面から議論すべきだと思っていましたが、そんな裏側聞くと、何となく腰砕けになりますね。

須田:
それだけに、なぜ厚生労働省はあんなデータ作ってしまったのだと…、もう完全なオウンゴールですよ。やらなくていいことをやってしまった。

高嶋:
総理は、怒っているのですかね?

須田:
怒っていると思いますよ。はらわた煮えくり返っていると思います。


2/26(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』より
http://www.1242.com/lf/articles/program/asa/