全国40都道府県にある400以上の介護施設に導入され、施設職員の業務負担を軽減しているSaaS企業、ドクターメイト株式会社。24時間365日のフォロー体制で日中医療相談夜間のオンコール代行サービス を提供し、施設スタッフの負荷軽減に取り組んでいます。

コーポレートサイト:https://corp.doctormate.co.jp/


特に反響の大きいオンコール代行サービスでは、2022年3月にコール対応実績が8,000件に到達。今や豊富な知見に基づき適切なアセスメントを提供することで信頼を得ているドクターメイトですが、現在に至るまでには様々な困難がありました。

起業経験のない「普通の医者」が会社を立ち上げた背景、そして困難を乗り越えた方法について、ドクターメイト代表取締役医師 青柳直樹をはじめとする創業メンバーに伺いました。




「介護現場からの入院患者が多い」という気づき

代表の青柳は医学部卒業後、皮膚科医として主に悪性腫瘍手術を専門に診察してきました。千葉の病院で研修医をしていた頃、青柳は介護施設から来院する患者の傾向に疑問を覚えます。驚くほど悪化した状態での来院で即入院になる患者が来たと思えば、施設でも処置できそうな軽傷で来院する患者もいる……といった「極端な症例」が多かったのです。


そこで複数の介護施設職員にヒアリングを行ったところ、介護業界における課題が浮き彫りになりました。医師の勤務は週に数日で、介護スタッフが医療的なことを気軽に相談できる相手がいないとのこと。医療に対する専門的な知識のない介護福祉士たちは、日夜医療に向き合わなければいけないことに不安を抱えていたことが分かりました。

医療ケアを迫られる介護現場

高齢化に伴い、病院側でも医療費削減のための動きがありました。長期の入院による診療報酬・介護報酬が見直され、病院の経営のためには早期退院を迫る動きが事実上必須に。1984年の平均入院日数は87.1日でしたが、2014年には42.9日と、30年で半分以下に短縮されました。これにより、従来では病院で入院治療を受ける程度の傷病であっても、退院により介護施設でのケアが求められるように変化していたのです。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/03.pdf


医療と介護、双方の背景と課題を知った青柳は、両者をより密に連携させることで解決を図ろうと考えました。すでにこの問題に取り組んでいる企業があれば参画をしようと考えていた一方で、市場調査を行なっても「介護施設における医療対応の負担軽減」に取り組む企業を見つけることはできませんでした。そこで自分で創業することを決意し、まずは遠隔で気軽に医療相談ができるサービスが必要だと考えて動き始めました。

増大する社会保障費と若者の負担に終止符を

昨年11月、厚生労働省より発表されたデータによると、令和元年度においては年間で44兆3,895億円(前年度に比べ9,946億円の増加)が傷病の治療に使用されており、過去最高を更新。さらに2020年度の介護費用(保険給付や自己負担含む)も10兆7783億円となり、過去最大を更新しました。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/19/dl/houdou.pdf


3年後に迫った2025年には後期高齢者の人口が約2180万人にも膨れ上がり、介護費は25兆円に達するとも言われています。際限なく膨らんでいく医療費と介護費。同時に少子化が進む現代において、若者や医療従事者の抱える身体的・経済的負担が年々増大している状況です。


ドクターメイトの挑む「介護と医療の課題」を解決できれば、こうした経済的な課題も同時に解決できるだけでなく、若者や現場の負担を軽減し、医療・介護体制のサスティナブルな体制維持を可能にします。未来のために、今の世代が取り組まなくてはというビジョンを胸に、青柳は立ち上がりました。


2人目の創業メンバーは「普通の弁護士」

これまで普通の医師として勤務してきた青柳には、サービス立ち上げのコネも技術もありませんでしたが、思いに賛同する医師を2人見つけることができました。さらに、オンライン診療の法律に関する有識者として出会ったのが、現在のドクターメイト執行役員 CLOであり創業メンバーの弁護士、川﨑です。


ちょうど「自身で医療サービスを立ち上げたい」と考えていた川﨑にとって、青柳の「顧問弁護士ではなくメンバーとして携わってほしい」という申し出や「現在の課題を払拭することで日本の未来を変えたい」という熱いプレゼンは非常に魅力的でした。

「目の前の患者を救いたい」というエネルギー以上に「日本中、世界中の課題を解決したい」という壮大なビジョンを持つ医師の存在に惹かれた川﨑は、創業メンバーに加わることとに決めました。

介護施設を、もっと身近な存在として認知させたい

もうひとりの創業メンバーである取締役 CPOの永妻は、当時ITコンサルタントとして独立しており、数あるクライアントのうちのひとつとしてドクターメイトに関わり始めました。しかし、時間を共にする中で心境に変化が起きます。


晩年介護施設にいた自身の祖母を、ほとんど会わないままに亡くしてしまったと後悔を感じていた永妻は、介護施設を身近な存在にすることで、高齢者が最後まで幸せを感じられるような世界の実現に貢献したいと感じるように。そして、それができる場所こそ、介護職員の負担軽減に取り組むドクターメイトであると確信しました。


こうして、代表 青柳の熱意とビジョンを共有したメンバーで、ドクターメイト株式会社が立ち上がります。


(実際の写真:左の3名が、永妻、川﨑、青柳)

1年半をかけて獲得した、最初の受注

青柳は「現場の方に価値を感じていただけるサービス作り」にこだわっていました。そのポリシーに基づき、いきなり出資を募ってアプリを作るのではなく、無料のアプリを使って医療相談サービスを提供することから始めます。


契約がひとつもないところからスタートしたため、紹介があればどんな場所にも足を運び「こういう世界を作りたい」と語って必死に営業しました。想いに共感してくださった施設から「単純に、いいサービスだと思ったから」と他の施設をご紹介いただくこともあり、それによって自分達の方向性は間違っていないんだと勇気づけられたといいます。


一方で、思いに共感してもらえても、経営者との正式契約は非常に難航しました。無料での試験運用を許容してくださった施設は20件ほどありましたが、サービス提供開始から約1年半もの間、1件も受注のない日々が続きます。敗因として思いあたったのは「サービス利用の価値を定量的に示すことができていないこと」でした。


そこで試験導入済みの施設に赴き、通院数の推移を把握すべく、紙のカルテを一枚ずつめくりながらExcelに打ち込んで計算しました。結果、医療相談導入により通院数が減ったというデータを取得でき、効果訴求できるようになりました。


その結果、ある施設と初めての契約が実現しました。契約までにその施設には30回以上訪問していた経緯もあり、青柳は契約書に判子を捺した時の感動を「忘れられない経験」と語ります。


(実際の写真)

最初の従業員を抱えてわずか2ヶ月後、キャッシュアウトの危機

医療従事者の集まる勉強会に登壇した青柳は、現在医療グループのオーナーとしてオンコールナースの採用や研修教育に尽力する、根廻と出会います。当時学生として保健師になる勉強をしていた彼女は、青柳の講演を聞いて事業に興味を持ちました。


その根廻とほぼ同時に参画したのは、現在カスタマーサクセスとしてサービスの導入・利用促進を担当する菅沼です。彼は介護福祉士として勤務していましたが、青柳の熱いビジョンに感動し、2025年問題に向き合う最適な手段として入社を決意しました。


立ち上げ期のベンチャーへの参画はリスクも伴う行為ですが、ふたりとも全く恐怖はなかったといいます。しかしふたりの入社後、2ヶ月も経たないうちに事件が。ほぼ決まっていた銀行融資が担当者変更により白紙に戻り、キャッシュアウト目前となってしまったのです。


積極的に出資を集めるスタイルではなかった青柳ですが、泣く泣く投資家に相談しました。すると彼らは「いくら足りないの?個人的に貸すよ」と心強い言葉で支えてくれました。出資者たちは、医療から介護に対してアプローチするという活動を、医師という適切なプレーヤーが取り組もうとしていることを評価してくれていたといいます。当時を振り返って菅沼は「投資家さんたちは本当に味方で、一蓮托生なんだと感じた瞬間だった」と語ります。

がむしゃら営業から抜け出すも、事業ピボット9回という迷走

そうして窮地を逃れたドクターメイトでしたが、営業ではほとんど成果が出ていませんでした。現在取締役 COOとして事業を管掌する宮崎が、初めて訪れたオフィスで目の当たりにしたのは、笑顔で電話をかけ続ける菅沼でした。


「時間がある限り、かけ続けます!」と語る、明るいがあまりにも無計画な姿を見て「元専門職のメンバーがこんなにも自信を持って取り組んでいる事業ならば、やり方を整理すればうまくいく」と確信してジョインを決めたと言います。


しかし思うような成果は出ず、しばらくは「以前よりは少し良い」程度の受注成績に甘んじていました。宮崎は成功を確信していただけに大きなショックを受けましたが、一方で他のメンバーたちはいたって前向き。「以前より明らかに受注が増えた」「いい方向に向かっているはずだ」と、どこまでも明るく、試行錯誤を繰り返す日々が続きます。


(実際の写真:左から、根廻・永妻・宮崎・菅沼・青柳・川﨑)


当時提供していた医療相談サービスのピボットも試みます。提供範囲、価格、対象顧客など、あらゆる要素を組み替え、気づけば数ヶ月で9回もの方針転換をしていました。自信を持って取り組むも、毎回結果は出ず。とにかく必死に現場の声を聞きながら、どうすれば受け入れてもらえるのかと試行錯誤しました。

オンコール代行サービス確立で、驚きの反響

そして2019年末。「夜間オンコール代行をやろうと思う」という宣言が出されたのが大きな転機となりました。青柳が「現場にとって価値のあるものを提供したい」という強い思いで顧客の声をしっかりと聞き、施設からのニーズもあると確認した上で2ヶ月ほど温めてきた虎の子の策でした。


メンバーたちが半信半疑でテストマーケに挑みFAXを送信すると、これまでとは反応が全く違いました。通知が止まらないほど問い合わせが殺到し、メンバーたちは驚きと共に大きな手応えを得ます。


介護施設における看護師のオンコール対応には、大きな現場課題とニーズがあります。介護施設所属の看護師は人数が少なく交代できないため、日勤に加えて夜勤対応せざるを得ないという過酷な環境。現場は疲弊していました。オンコールの代行サービスは、そうした負担を軽減し、就業環境改善・離職率低減という大きな経営インパクトに繋がるアイデアだったのです。



手応えを得たのも束の間、すぐに新型コロナウイルスの波が日本を襲いました。これまで通りに出張を繰り返して施設関係者と対話をするスタイルが取れなくなったことで、またしても危機的状況かと思われました。しかし宮崎が「ニーズは間違いなくある。オンライン商談に切り替えましょう」と提案したことで、全国に対してスピーディにサービス提案ができる体制に変化し、多くの施設への導入が進みました。



「介護×医療」というポジショニングに加え、医師、看護師、介護福祉士、弁護士などの専門家たちが集い、本気で取り組んでいるユニークな会社、ドクターメイト。その成功の秘訣は、どこへでも足を運んで真摯に顧客に向き合い続け、生の声からニーズを拾い上げた「課題解決思考」と、どこまでも明るく前向きに試行錯誤を繰り返し続ける「へこたれなさ」といえるでしょう。


少子高齢化に伴う国の財源圧迫や介護離職といった社会問題の数々は、もはや常態化してしまっています。しかしこの課題を「解決すべき」と考える多くの人々がいるからこそ、第一声を上げた青柳の下には多くの専門家・ビジネスマンたちが駆けつけたと考えています。


国も、介護も、医療も、利用者も。誰もが幸せになれる世界を目指し、ドクターメイトは成長を続けます。




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
PR TIMES
PR TIMES
記事 45014
データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。