消毒液に「引火の危険」が…消防庁が注意喚起

新型コロナウイルスの感染拡大により、使用する機会が増えている消毒用アルコール
スーパーなど様々な施設に手指消毒用のスプレーやジェルが置かれていることが多くなり、家庭にも常備している、という人が増えたと思うが、そんな中、東京消防庁が「消毒⽤アルコールの取扱いにご注意ください」との呼び掛けを17日に発表した。

画像:東京消防庁

「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、手指の消毒等のため、消防法に定める危険物の第四類アルコール類に該当する消毒用アルコールを使用する機会が増えています。

消毒用アルコールは火気により引火しやすく、また、消毒用アルコールから発生する可燃性蒸気は空気より重く低所に滞留しやすいため、取り扱う場合には十分な注意が必要です」



東京消防庁が呼びかけているのは、消毒用アルコールによる火災事故の可能性。
アルコールの濃度が60%以上(重量%) の製品は「消防法上の危険物」に該当し、蒸発しやすく、可燃性蒸気となるため引火の危険があるという。

画像: 東京消防庁公式チャンネル

たとえば、ポンプ式のアルコールで手指を消毒したあと、その近くですぐにたばこを吸おうと火をつけると、たばこを持った手に火が燃え移ってしまう様子が、東京消防庁の公式youtubeチャンネルで公開されている。

画像: 東京消防庁公式チャンネル

この危険を避けるため、消毒用アルコールに関して呼びかけているのが以下の3点。

・火気の近くで使用しないこと
・詰替えを行う場所では換気をすること
・直射日光が当たる場所に保管しないこと


SNSでは「アルコール消毒は毎日使うけれど、気にしたことがなかった」「これは注意が必要」との声が挙がっているが、消毒用アルコールに関する事故が増えたことで、このような注意喚起を行ったのだろうか。
改めてこの呼びかけについて、東京消防庁にお話を聞いた。

台所などでの使用に注意

――消毒用アルコールが原因の火災や、問い合わせなどは増えている?

事故の報告や問い合わせ件数については統計を取っておりませんが、今後、消毒用アルコールを使う機会が増えるだろうことから、注意喚起として発表いたしました。

――動画にはたばこの例がありましたが、他に気を付けたい場面はどんなものがある?

たばこの例は、消毒後すぐに火を使うシチュエーションということで選びました。ご家庭では台所、コンロなどの火気の近くで使用しないこと、また消毒液の詰め替えをする際の換気などに注意してください。

画像:東京消防庁

東京消防庁によると、消毒用アルコールによる事故が増えているからというより、今後さらに消毒用アルコールに触れる機会が増えることからこのような注意喚起を公表したとのこと。

「消毒後にすぐ火を使う場面」というと、たばこの他にも、料理する際にまずは消毒、というのを習慣づけている人は多いだろう。そんな時、コンロの付近に消毒液のボトルを置いていると、火災のリスクは大きくなる。消毒の習慣をつけるために、家のあちこちに消毒用アルコールを置いている、という人は改めてその置き場所にも注意するべきだろう。

消毒液代わりの酒類にも注意

また、もう一点気を付けたいのが、アルコール濃度の高い酒類を消毒に使う場合

消毒用アルコールが不足していることを受け、厚生労働省は、酒造会社が製造した高濃度のアルコールの使用を特例として認めているが、酒類などのアルコール表示は体積%による表示のため、アルコール度数67度前後からは危険物に該当する場合があり、アルコール濃度の高いウォッカなどは消毒用アルコール同様に引火の危険がある。

酒類に関する実験では、ウォッカを袖にこぼした状態でたばこに火をつけようとすると、たちまち手元から火が袖に燃え広がり、さらに机に垂れたウォッカに火が燃え移り、大きな火災となってしまう様子がわかる。

画像:東京消防庁公式チャンネルより

酒類も消毒用アルコール同様、使用の際は火気を避けるなどの配慮が必要だ。

新型コロナウイルス対策のため、多くの人が行っている消毒だが、一歩間違えると感染とは別の危険にさらされてしまうこともある。
改めて注意点を確認し、安全に感染対策を行ってほしい。

(動画:東京消防庁公式youtubeチャンネルより)

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