カメラがとらえた巨大な米潜水艦母艦

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4月11日、FNNテレビ長崎のカメラが米海軍・佐世保基地に停泊する巨大な船の姿をとらえた。

満載排水量約2万3000トンのエモリー・S・ランド(参照:上図)。全長約196メートル、全幅約26メートル、海面からの高さが約9メートルで、海上自衛隊のイージス艦の「あたご」(満載排水量:1万トン、全長:165メートル)をはるかに上回る大きさのフネ。

エモリー・S・ランドは、アメリカ海軍のもとにある軍事海事輸送コマンドに2隻しかない潜水艦母艦の1隻で、洋上で、米海軍の攻撃型原潜、最大4隻を横付けし、30トン・クレーンや5トン・クレーンを駆使して補給作業が可能。
さらに攻撃型原潜のみならず、巡航ミサイル原潜に横付けし、魚雷やミサイル等を含め、物資を補給し、メインテナンスを行うことも任務だ。

攻撃型原潜とは、敵の艦船を叩くことが主任務である潜水艦であり、米海軍の巡航ミサイル原潜は、最大射程1600㎞以上のトマホーク巡航ミサイルを海中から最大154発連射できるという非核兵器で戦略的任務をこなせる大型の潜水艦だ。

下の画像は、インド洋で、巡航ミサイル原潜フロリダが横付けされた状態を映しており、満載排水量約1万7000トン、全長170.7メートルと世界最大級の原潜フロリダもエモリー・S・ランドの横では、その大きさが目立たない。

米潜水艦母艦が佐世保に来た意味

潜水艦は、敵に探知されないよう、潜水し、海中を進む。このため、例えば、前述の巡航ミサイル原潜フロリダは、戦略的任務を帯びて行動するが、敵に探知されないことが潜水艦の最大の眼目であるので、その存在を見せつけて、抑止することは難しい。

だが、エモリー・S.・ランドは、米海軍の攻撃型原潜や巡航ミサイル原潜と密接な関係にあるフネだ。洋上で巨大な潜水艦母艦が活動していれば、その周囲に、米海軍の原子力潜水艦の存在を匂わせることになる。

エモリー・S・ランドが佐世保に入ったということは、九州近海、西日本周辺にエモリー・S・ランドの補給・メインテナンス能力を必要とする米原潜が、複数存在していることを示唆することになるだろう。
その中には、前述のトマホーク巡航ミサイルを最大154発連射可能な巡航ミサイル原潜遊弋の可能性があると、米国に非友好的な国家が見做しても、不思議ではない。

英海軍フリゲートが横須賀に

約10年ぶりの南北首脳会談を今月27日に控えるなか、今月11日、英国海軍は、米海軍横須賀基地に、英海軍のタイプ23型フリゲート、サザーランドを入港させた。

サザーランドの入港にあたって、英国政府が発表したニュースリリースによると、サザーランドは、これから「極東に展開する強襲揚陸艦アルビオンとともに、今後数ヶ月、違法な核計画の資金源となる北朝鮮の海上での取引禁止を監視する国際的な取組に貢献する」となっている。

北朝鮮を名指しし、国連制裁に協力するための軍艦派遣というのである。
北朝鮮の核問題は、昨年11月に試験発射された火星15型弾道ミサイルは、欧州のほぼ全域も射程内。このため、北朝鮮の核・ミサイル問題は、北東アジアのみならず、欧州の英国の関心事にもなったということだろう。

英国は、米国とともに、国連安全保障理事会の常任理事国P5の一国であり、言い換えれば、合法的な核兵器保有国の一国ということになるだろうか。

射程1万2000㎞余りのトライデントⅡD5戦略核弾道ミサイルを最大16発搭搭載するヴァンガード級戦略ミサイル原潜を保有する英政府の北朝鮮が絡む、瀬取り監視、国連制裁違反の監視参加は、単なる名目的なものということより遥かに大きな意義を持つかもしれない。