開催直前の電話…過去3年間は女児も参加
4月4日、救命救助中に「土俵から女性は下りてください」との不適切アナウンスがあった大相撲の京都・舞鶴巡業。
あれから約1週間──
土俵の“女人禁制”問題の議論が続く中、実は同じ日に、富士山静岡場所のちびっこ相撲実行委員会に、荒磯親方から電話で「ちびっこ相撲に女の子は遠慮してほしい」と要請があったことが明らかになった。

去年までの3年間は、女児も「ちびっこ相撲」に参加していたという。それがなぜ今年に限って、ちびっこ相撲開催の4日前という直前になって、このような電話があったのか?
『直撃LIVEグッディ!』スタジオには、東京相撲記者クラブ会友の大見信昭さんとコーディネーターの加藤タキさんをゲストに迎え、今日も議論を繰り広げた。
指摘される相撲協会の「説明不足」

大見信昭氏:巡業は相撲の普及も大切なので、ちびっこ相撲もやりますが、どういったメンバーが入ってくるのかわからないまま、これまでは行われていた。
女の子が上がってくるというのを把握しないままきたんですけど、今回は巡業部も新しくなりましたから、基本に戻るということで徹底して連絡も入れて、たまたま問題になってしまったということですね。
今回たまたま騒動後に連絡を入れたため、大きな問題になってしまっただけということだが、以前までは女の子も参加できていたという「ちびっこ相撲」。
安藤優子:私には、たまたまに見えませんが…。巡業の4日前に、改めて電話をしてきたっていうタイミング、タキさんはどうご覧になりますか?
加藤タキ氏:相撲協会の広報が本当に下手だと思っています。そういうことがあるならば、初めからそう説明すべきだし、過去3年間はこうだったけど、こういうことはちょっと見逃してしまったけど、今回からきちんとこうしますって理由を述べるとか。
大村正樹フィールドキャスター:グッディ!ではちびっこ相撲で土俵に上がれなかった女の子のお母様にお話しをうかがいました。
母は説得されるも「寂しげだった」女児

1. 土俵に上がれなかった女児は、去年「全日本女子相撲選手権大会」で優勝した実績のある子だった
2. 地元の相撲クラブに小学2年生から入部。相撲に関して一生懸命な子だった
3. 石浦関のファンで、今回も石浦関に会うことを楽しみにしていたという
4. 母親は「相撲は神道だから女性は土俵に上がれない」と説得し、女児も納得
5. 当日は力士からサインをもらい嬉しそうな反面、同級生の男の子たちが土俵にあがって取組をしていたのを見て、寂しそうだった
高橋克実:子供と憧れの力士がわーって取組をするわけじゃないですか。これは見ていてとてもいい光景だし、それに急に参加できないというのはとてもかわいそうなことですよ。
尾木直樹氏(教育評論家):ちゃんと説明できる言い方で、本人もなるほどなって。子供には分からない世界もあるんだなって思うのはアリだと思うんですよ。
でも、納得できなくて、すごく期待していて今度はどのお相撲さんにぶつかっていこうかなって夢を膨らませているのに、それが直前で途絶えてしまうっていうのは。
この子がこれから相撲を続けていくのか分かりませんけど、そこにも影響してくるし、ジェンダーの問題で、女性はこうやって損するんだとか刷り込まれたとしたら大変だなって思います。
ヨネスケさん:神事だっていうことだったら、相撲協会がきちんと説明しないといけない。神事だからいけないよっていうだけだと、じゃあなんで神社に女の子が行けるのかってなったらどうするんですか。説明できないじゃないですか。だからそういうところはハッキリと説明しないとダメだと思います。
前巡業部長・貴乃花親方は理解があった!?

田村勇人弁護士:女性だからっていう本人では努力しようのない部分で人生の可能性が狭まれるっていうことをわれわれは公益として認めるのか?そこは議論しなければならないと思います。
しきたりや伝統に関してさまざまな問題が飛び交う大相撲。相撲協会の対応などが注目される中で、スタジオで気になったのは・・・
大見氏:これは前任の貴乃花親方に伺いたいですよね。貴乃花親方は許していたのか、知っていたのか、知らなかったのか。
巡業部長でずっと巡業されてましたから、たぶん女の子が土俵にあがっているところを見てたと思いますから、いまどう思っているかお伺いしてみたいですけど。
安藤:でも貴乃花部屋はホームページなんかでもちびっこ相撲の奨励をしてるじゃないですか。だからそのことにはすごく理解があったんだと思うんですよね…。
(「直撃LIVE グッディ!」4月12日放送分より)