「見えない壁だって、越えられる」をコンセプトに、障がい者クライミングの普及活動を行う小林幸一郎選手。

パラクライミング視覚障がいB1クラスの世界チャンピオンだ。
 

 
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「思っているより、はるかに色々できる」

「視覚障がいっていうのは自分が思っているよりも、はるかに色々なことができるんじゃないかなと思います」と語る小林選手。


小林さんはサラリーマンとして働いていた28歳の時に網膜色素変性症と診断された。

それでも、自分が出来ることは何かを考え、前向きに生きた。

10代の頃から続けていたクライミングを、視覚障がいになってからも続けてきた。
 

 

そして、クライミングというスポーツを通して気づいたことがある。

「人は障がいがあるからとか、年だからとかを理由に、どうせ自分にはできないだろうと自分で知らず知らず見えない壁を作ってしまいがちです。そんな自分で作る見えない壁に気づき、まずは越えられるかもしれないと信じ、方法を考え、仲間を見つけ、そして挑戦する力を得られると10年の活動を経て感じています」
 

 

「見えない壁に向かって超えていく」

全ての人に伝えたいのは、「クライミングの楽しさ」だと語る小林さん。

選手としての活動以外にも、NPO法人モンキーマジックを立ち上げ、代表として活動を続けている。パラクライミングの普及活動を通じて、多様性を認め合える豊かな社会の実現に取り組んでいるのだ。


障がいがある人も、ない人も、みんなでクライミングを楽しむ環境づくりを続ける小林さん。

この競技の魅力を「それぞれのやり方でそれぞれの目標に向かって登ればいいという、それだけです」と語る。

「なかなかできなかったことが、やっとできた時ってものすごく喜びがあります。
ゴールはそれぞれ違っていいんです。人と比べる必要はないし、人と同じ登り方で上る必要もないし。クライミングっていう時間の中で、人は『見えない壁に向かって超えていく』っていうことを経験できるんじゃないかなと思っています」

見えない壁を乗り越えた達成感を得るために、小林さんはより高みを目指す。
 

世界選手権3連覇に向けて…

 

妻の多美子さんは小林選手を全面的に応援する。

「コバちゃん、結婚して1年が経ちました。50歳になっても現役でトップを走りたいという気持ちと、そこに向かっていくのはすごいですし、一緒にいて誇らしいと思います。楽しくて強くて、上る姿はかっこいいですね」


小林選手は、今年9月に開催される世界選手権の日本代表に内定している。
妻の応援、そして一緒にクライミングをしている仲間の応援を糧に、3連覇を目指す。
 

 


小林 幸一郎(コバヤシコウイチロウ)
パラクライミング 視覚障がい

1968年2月11日生まれ、50歳、東京都出身。
2014、2016年パラクライミング世界選手権、視覚障がいB1クラス優勝(連覇)。
2018年パラクライミング日本選手権、視覚障がいB1クラス優勝。
NPO法人モンキーマジック代表。
障がい者クライミングの普及活動を通じて多様性を認め合える豊かな社会の実現に取り組んでいる。
 


(PARA☆DO!:毎週水曜夜10時54分放送
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