コインチェック騒動で痛い目に…

昨年5月、貿易会社に勤務する長田悠里さん(27)は、友人の間で流行していた仮想通貨の売買を始めた。その後、コインチェック騒動に巻き込まれ、痛い目に遭った最中に“女性限定”の金融知識を学ぶコミュニティ「きんゆう女子。」に出会ったという。

「今もらっているお給料から貯金するだけじゃなくて、投資に回して“お金がお金を生む”仕組みを勉強したい」
との思いから、すでに「つみたてNISA」の口座を開設していた。

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そんな金融が“ワカラナイ”投資初心者の女性のために勉強会を東京・兜町で毎週木曜に開催している「きんゆう女子。」。参加者の平均年齢は33.1歳。

仕事帰りの女性を対象に、カフェの一部を貸し切って勉強会を行っている。金融庁や東証など金融機関から講師を招き、これまで「つみたてNISA」「フィンテック」「ロボアド」など、投資初心者のための基礎知識から実用編まで、幅広い講座を展開している。

その狙いについて、「きんゆう女子。」を運営するTOE THE LINE社長の鈴木万梨子氏は「近い友人や仕事の仲間だとリアルなお金のことを話しづらい」と話す。

SNSを中心にこうした悩みをもつ女性たちの会員を集めたところ、徐々に会員は増え始め、その数は2017年11月に1000人を超えた。(2016年3月設立)

彼女たちの参加の動機を聞いてみた。

「自分の力でお金を増やさないと…」

参加者からの声で共通したのは、“漠然とした将来不安”

仮想通貨で痛手を負った長田さんは「昨年父が倒れた際、年金や保険制度について深く知り、将来への貯蓄が大事だと実感した」と話していた。

他にも、ベンチャー企業に勤める30代女性は「退職金がないから不安」と語り、保険代理店に勤める30代の女性は「今は共働きだが、もしも夫が急に働けなくなったら家計バランスが崩れてしまう」、20代の歯科衛生士は「給料もそれほど上がらないので自分の力でお金を増やしていかないと…」といった声が聞かれた。

“夜の東証”で女子会!東証側の狙いは?

3月上旬、複数回の勉強会を修了した参加者を祝う卒業イベントが行われ、約80人が集まった。その会場は、取引が終わった夜の東京証券取引所。

このイベントには、卒業式のほか、「金融×ファッション」「今後のキャリア」に関するパネルディスカッションや、夜の東証ツアー、最後は東証の東門でスパークリングワインを片手に意見交換をする“大女子会”が行われた。

東京証券取引所常務取締役・岩永守幸氏は、「こんなに金融に関心のある女性がいたことに驚いた。ここに集う“金融ワカラナイ女子”たちのような層と金融の距離感をどう縮めていくかが今後の課題だ」と話す。

東証はこの「きんゆう女子。」以外にも、投資の初心者に向けた様々なイベントやセミナーを開催。
高齢者を対象に落語を楽しみながら株式投資について学ぶ「兜LIVE! 東京笑券とりひき亭 兜町JPX寄席」や、大学生向けに財務諸表の読み方を解説する「就活生×金融」講座など、兜町を盛り上る仕掛けを数多く展開していて“興味はあるけど踏み切れない”投資の初心者層を取り込みたい考えだ。

【ニュース制作部記者・阿部桃子】