災害とウイルスの両方から身を守るためには…

街の人:
9年前のようなことが起きてしまうと、避難所を経験していたので、それでコロナが、と言われると考えられない

街の人:
(避難所は)できれば行きたくない。感染のリスクが高まるし、極力避けたい

2011年の東日本大震災直後、仙台市内の避難所。当時、避難所を巡回した医師は、「感染症のまん延」を最も警戒したという。

仙台市医師会・永井幸夫会長:
(若林区)六郷の小中学校やJAに3000人以上の方々がいらっしゃった。みんな着の身着のまま。寒かった。ここでインフルエンザがはやったらどうしようかと、どうしようもないなと。(当時)インフルエンザは、はやらなかった。ちょうど(震災発生が)、流行が終わって2週間後。新型コロナの場合には、「集団にならない」というのが一番ですから。避難所のように1000人、1500人が1つの学校(避難所)にいるのは最悪の状態

不特定多数の人が集まり、感染リスクが高まるおそれがある「避難所」。
地震や大雨など災害によっても避難の方法は変わるが、災害とウイルス両方から身を守るためには、何が必要なのか?

「避難所滞在の必要がない場合」「避難所に行く必要がある場合」

災害に強いまちづくりを研究する東北大学の佐藤健教授は、災害発生後、自宅の被害が少ない場合は、避難所の人口密度を下げるため、まずは「在宅避難」を検討すべきとしている。

東北大 災害科学国際研究所・佐藤健教授:
(震災時、仙台市では)若い世帯ほど避難した割合が高い結果があった。心理的な不安であったり、家庭内備蓄の備えができていない場合、どうしても避難所に行ってしまうことが3.11の時、多かった。若い方たちには、本当に避難が必要な方のために避難所の空間を空けておくのが重要

それでは、在宅避難ができない場合は?まず、避難所に行く前に「自宅以外の住宅への避難」を考えるべきと、佐藤教授は強調する。

東北大 災害科学国際研究所・佐藤健教授:
(高齢者であれば)例えば、別に暮らしている子ども・友人の自宅などに避難することを考えた方が良い

住宅で安全を確保できない場合、市町村が定めた「指定避難所」などへの避難が必要になる。
新型コロナウイルスの感染拡大で、全国に外出自粛が要請される中、わたしたちはどう行動するべきなのか。

「地域の避難施設の種類についてあらためて確認を」

自治体も対応に動き出している。仙台市は、避難所運営について検討を始め、「体調不良を訴える避難者は別の部屋に避難させる」などの対策案を準備している。また、今後の状況次第では、「指定避難所以外の避難所を開設するかの判断も必要になる」としている。

佐藤教授は、「地域の避難施設の種類をあらためて確認してほしい」と呼びかけたうえで、今だからこそ利用できる施設もあると指摘する。

東北大 災害科学国際研究所・佐藤健教授:
「帰宅困難者一時滞在施設」が整備されている。行動がある程度制限され、帰宅困難者が少ないとすれば、地域の指定避難所の負担、人口密度を軽減する観点からも、地元の方に「帰宅困難者一時滞在施設」に、避難が必要であれば、そちらに避難するというアイデアもある

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、終息が見通せない今、災害への備えがあらためて問われている。

いざというときどう避難するか…今話し合いを

避難所内で簡易ベッドをどう配置するかのイメージ図。

密接・密集を避けるため、ベッドの間や通路を2メートルほど離して配置しているのが特徴。
これは、医師や災害の専門家などで作る学会が15日、全国の自治体に提案したばかりのもので、密閉を避けるため、30分に1回、窓を開けて換気することも提案している。

梅雨時期の大雨や台風などの出水期も近くなっている。いざというとき、自分は、家族は、どう避難するか。または、自宅にとどまった方が良いのか、今話し合う必要がある。

(仙台放送)