盟友バイデン候補の支持表明動画、半分はトランプ政権批判

オバマ前大統領は14日、ツイッターに12分間に及ぶビデオメッセージを投稿。
この中で、11月の大統領選でトランプ大統領の対抗馬に確定した野党・民主党のバイデン前副大統領の支持を表明した。バイデン氏について「私の政権下で副大統領に任命したのは人生で下した最も正しい判断だった。大統領になる資質をすべて持ち合わせている。」と高く評価した。

一方で、トランプ政権を「関心があるのは権力だけ。進歩することには興味が無い」とバッサリ切り、新型コロナウイルス対策についても「科学者の警告を否定した」として対応が後手に回ったと指摘、ビデオメッセージの実に半分の時間を割いて痛烈にトランプ政権を批判したのだ。これまで、ことあるごとにオバマ前政権を批判してきたトランプ大統領は、すぐにも反論するとみられたがだんまりを決め込んだままだ。

オバマ前大統領のツイッターより

トランプ大統領のオバマ前大統領への異常なまでの執着

トランプ大統領がツイッターを初めた2009年から今日までの全ツイート内容を検索できるサイト「トランプ・ツイッター・アーカイブ」(Trump Twitter Archive)によると、トランプ大統領がオバマ氏についてツイートしたのは実に1,483回。(4月17日現在)

「オバマ政権下での豚インフルエンザへの対応はひどかった!」(3月13日)

「オバマ・バイデン政権はアメリカ史上最も腐敗した政権だった!」(3月9日)

などと、その多くが誹謗中傷だ。トランプ大統領の“オバマ嫌い”はトランプ政権の3年間を振り返ってみても明白だ。オバマ前政権がとりまとめたパリ協定は「一方的で金がかかる、恐ろしい協定」として離脱。イランとの核合意は「史上最悪の合意」とこれも離脱している。ことごとくオバマ大統領の政策をひっくり返すトランプ大統領には、実は深い恨みがある。もう9年も前のことだが、2011年、当時大統領だったオバマ氏に記者団との夕食会の場で大恥をかかされたのだ。トランプ大統領は当時、オバマ氏の出生について「ケニア生まれではないか」と疑問を呈し、執拗に出生証明書を開示するよう求めていた。出生証明書を公開して反論したオバマ氏は、この夕食会のスピーチで「トランプ氏は喜んでいることだろう。なぜならこれで彼にとって本当に重要な問題に集中できるのだから。たとえば『月面着陸はねつ造だったのか』といったことだ」などと、トランプ大統領を大勢の前で徹底的に笑いものにしたのだ。
この一件で、トランプ大統領は「絶対に大統領になる」と心に誓ったと言われている。

トランプ大統領連日の“露出攻勢”の一方で「バイデンはどこに行った?」

そんな因縁の相手、オバマ氏は2020年大統領選で、スピーチが得意では無く発信力が低いバイデン氏を、前面に立って支えていくとみられている。

トランプ大統領が連日のように記者会見で、新型コロナウイルスへの対応を自画自賛する“独演会”を繰り広げている一方で、バイデン氏は「どこに行った?」と陰口をたたかれるほど存在感が薄い。そんな中で、あのオバマ氏による支持表明の動画が投稿されたのだ。投稿直後にバイデン氏の支持率は10ポイントも上昇、オバマ氏の国民からの絶大な人気は今も健在であることを見せつける結果となった。

バイデン氏が自身のツイッターに投稿したプライベート写真。(バイデン氏のツイッターより)

バイデン氏も早速、「さあやるぞ!(Let’s do it!)」との書き込みとともにオバマ氏とハイタッチするプライベート写真をツイッターに投稿、“オバマブランド”を味方につけて、発信力強化に努めている。

バイデン氏のランニングメイトは前ファーストレディー?

大統領選で重要になってくるのが大統領候補の「ランニングメイト」=副大統領候補の人選だ。正式発表されるのは8月に開催される民主党全国大会の直前と見られる。バイデン氏が演説で「副大統領候補は女性だ!」と発言したため様々な憶測を呼んでいる中、ある人物の名前がしきりに取り沙汰されている。その名も、ミシェル・オバマ氏、オバマ前大統領の妻だ。ブックメッカ―の統合比較サイト「オッズチェッカー」では政治経験豊富なカマラ・ハリス上院議員に続いて2番人気となっている。

そんなミシェル・オバマ氏だが、ウイルスの感染拡大で投票率の低下が心配されるなか、民主党支持者に郵送による不在者投票を呼びかけるなど、バイデン氏をまさに夫婦そろってバックアップしているのだ。

夫婦揃ってバイデン氏支持を表明している。(オバマ氏のツイッターより)
ミシェル・オバマ氏が投票を呼びかけるポスター(本人のツイッターより)

大統領選まであと200日を切った。「トランプ劇場」と再演される「オバマ劇場」の間で有権者はどちらのチケットを買うのか?今後も熾烈な戦いが繰り広げられ​る。

【執筆:FNNワシントン支局 ダッチャー・藤田水美】