愛知県長久手市に2022年11月に開業するジブリパークで、一足早く「エレベーター塔」がお披露目された。開業まであと8カ月、周辺の住人からは早くも渋滞を心配する声が上がっている。

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愛知万博の二の舞を懸念 地域住民の不安解消なるか

3月23日に「愛・地球博記念公園」でお披露目されたエレベーター塔。「天空の城ラピュタ」など、ジブリの世界をイメージしたデザインに生まれ変わった。

大村愛知県知事:
エレベーター塔がこうしてできて、ジブリパークが完成に一歩一歩近づいていく。今日はその第一歩ということでございます

ジブリパークに期待が高まる一方で、地元の住民からは「すごく混むんじゃないかな」「渋滞になることは目に見えている」など、渋滞への心配の声があがっている。

「ジブリパーク」のすぐそばには人気インテリアショップ「IKEA」などがあり、今でも周辺の道路が車で混雑する渋滞エリアだ。パーク開業後、名古屋方面から行く場合もこの渋滞に突入することになる。

1カ月前、2月23日の祝日に車で通ってみると、IKEAに向かう道は進むのがとても遅い状態になっていた。

地元の人にとっては生活道路でもあり、渋滞は大きな問題だ。

地元の人A:
かなり影響があります。道が一本しかないから

地元の人B:
万博の時もそうだったんです。ウチの奥さんも、お昼に「買い物行ってくるね」と言って、帰ってきたのが夜の7時とか8時くらい。ひょっとして、また二の舞になっちゃうんじゃないかって

次々と上がる「ジブリ渋滞」を懸念する声。愛知県は大胆な対策を講じている。

「専用レーン」で解消なるか 電光掲示板による誘導も

県によると、IKEAのある交差点では、名古屋方面から公園西側の駐車場に向かう右折レーンの長さを現在の倍に延長。また、帰りを想定した逆のルートでも新たに左折専用レーンを作り、その先の合流車線も400メートルに伸ばす。

車線を拡張することで詰まりを解消する策だ。

また、パークのメインゲートに最も近い北側の駐車場に停めるためには、現在は1kmあまり遠回りする必要があるが、ここへの右折入場を規制し、約1km先の交差点まで迂回してUターンさせることにする。

県によると、これまでもイベントなどで客が多い日は、駐車場付近で右折車両の渋滞が県道本線まで及んでいたが、比較的交通量が少なく信号のない交差点を経由することで、円滑な入庫を図る狙いだ。

渋滞を防ぐため、一度パークを通り越してUターン…。県は電光掲示板による誘導を予定しているが、ドライバーが混乱しないかは未知数だ。

こうした対策を聞いた地元の人からは、次のような声が聞かれた。

「どのくらいの建物に、どのくらい収容するのかが読めないから」
「実際やってみないとわかんないよね。この図だけじゃ想像できない」
「(県が)色々な改良工事なんかやっとるけども、それで果たして効果があるのかどうか」

県は周辺の渋滞対策として、新年度予算案に2億円を計上。開業まで8カ月を切ったジブリパークは、周辺の交通も含めた大成功となるのだろうか。

県は地下鉄やリニモなど公共交通機関の利用を呼びかけるほか、名古屋駅や栄駅、セントレア発着の直通バスも検討していて、車以外での来園を推奨していく方針だ。

(東海テレビ)

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