外出禁止で子供たちに起きた変化
フランスで外出禁止令が出されて1カ月。花の都と呼ばれた街も人の生活もすっかり変わってしまった。
これは日本の未来なのだろうか?現地を取材した。
新型コロナウイルスの感染者数が14万人、死者は1万7000人を超えたフランス。
パリで暮らす須田佳央莉さん。息子の希莉久(きりく)くんと希埜(きの)くんには異変が起きていた。
ーー外に出られないのはどうだった?
兄・希莉久くん:
時々なぜかわからないけど怒る。例えば希埜が僕に何か言っただけでたたきたくなる
母・佳央莉さん:
何があったわけじゃないけど機嫌が悪くなっちゃたりとか…
母・佳央莉さん:
(弟の方は)見ているとよく兄にけんかを売りに行ったりするけれども、自分でも原因がわかっていないらしくて…
フランスでは午前10時から午後7時までは散歩すら禁止されているが…
子供たちの変化を感じ取った佳央莉さんは、散歩が許される時間帯に子供たちを散歩に連れ出すようにしているという。
母・佳央莉さん:
学校の勉強は確かに遅れてしまっているし、ついていけているのかどうかすらも確かめようがなくて不安ですけど。世の中のつながりだったりとか、こういう緊急事態の中でどういうふうに家族と接するべきなのかとか、自分なりに考えているような、何かしら学んでいるのではないかとは思っています
そんな子供たちは1日1回友達とオンラインゲームをして、気持ちのバランスを保っているという。
ーー外に出られない生活が終わったら1番に何をしたい?
弟・希埜くん:
日本に行きたい
現地で日本酒製造を始めたばかりの企業も…
1カ月におよぶ外出禁止は家庭はもちろん経済も疲弊させている。
フランスで日本酒の製造を始めたばかりの会社を取材した。
こちらの会社「WAKAZE」は去年11月、パリ近郊に酒蔵をオープンさせたばかり。現地で栽培した米を原料にした日本酒は一つ星レストランへの提供も決まっていた。
パリ支局・藤田裕介記者:
こちらでは出荷先がほぼ閉店となってしまったことから、生産量を減らすことを余儀なくされています
倉庫を見せてもらうと日本酒の在庫の山が…
WAKAZE・今井翔也さん:
元々はイギリスやドイツなどEU各国に送る予定だったものですね
現在は蔵で働く人の人数を減らし、通販向けの製造を続けている。
WAKAZE・今井翔也さん:
回復した時に、このお酒を待つ方々にGOサインが出たらいつでも届けられますよという、その準備をしておく…
外出許可証がないと罰金! 一方で自粛疲れも
外出の際は外出許可証が必要で、違反者は罰金を課されるなど厳しく取り締まってきたフランス…
フランスのマクロン大統領は4月13日、外出禁止令を5月11日まで延長することを発表。
そんな中、パリの街中では別の異変も起きていた。
パリ支局・石井梨奈恵記者:
フランスではこのところ20℃以上の晴れの日が続いていて、人が多く出歩くようになりました
シャンゼリゼ通りを歩く人もマスクをしていない人がチラホラ。パリでも自粛疲れが起きていた。
パリ市民:
慣れました。最初はつらかったけど、それも習慣として定着しました
いまだ医療崩壊の危険が叫ばれるフランス。
果たして1カ月後の日本の未来を表しているのだろうか?
(Live News it! 4月17日放送より)