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16日のテーマは、「悪夢の細菌」。

恐ろしいホラー映画のようだが、わたしたちにとって、遠い話ではなく、むしろ身近な話。

ここでいう細菌とは、薬が効かない、薬剤に耐性のある「薬剤耐性菌」。

2018年に、世界でがんにより死亡する人は、960万人と予想されている。

一方で、このまま薬剤耐性菌に対して、何も対策が講じられなかった場合、2050年に、全世界で死者は1,000万人になると予想されていて、がんを上回る人数だと予想されている。

国立感染症研究所によると、既存の抗菌薬、いわゆる抗生物質がほぼ効かない、海外発の強力な薬剤耐性菌が、国内でも増えていると報告している。

検査を始めた2017年は、6都県で13例だった。

しかし、2018年では、16都道府県で42例と広がっている。

この耐性菌は、重い感染症の治療で、「最後の切り札」といわれている抗菌薬が効かないケースを指している。

そのため、アメリカの疾病対策センターでは、これを「悪夢の細菌」と呼んでいて、最も脅威の耐性菌と位置づけている。

なぜ、薬剤耐性菌が増えるのか。

いろいろ理由は考えられているが、大きな原因は、わたしたちの抗菌薬、いわゆる抗生物質の使い方にある。

皆さん、もちろん風邪は引いたことがあると思うが、実は、風邪自体には、抗菌薬は効かないとされている。

というのも、風邪は細菌ではなく、ウイルスによってかかるもののため。

もちろん、症状や人によっては抗菌薬が必要なケースもあるが、あくまで一般的には、風邪には抗菌薬が効かないとされている。

薬局で売られている市販の風邪薬も、風邪のつらい症状を和らげるためのもの。

実際に症状が改善したりするが、これは、原因であるウイルスそのものをやっつけているわけではない。

最終的には、風邪を治すのは、その人自身の免疫力によるもの。

そのため、本来飲む必要のない症状の人が、抗菌薬、抗生物質を飲むことが、耐性菌が増殖してしまう1つの原因とされている。

というのも、わたしたちの体の中には、良い菌もたくさんいる。

無害な細菌、有益な細菌、いわゆる「善玉菌」というのも多くいる。

しかし、抗菌薬を飲むと、大多数の細菌は殺されてしまう。

しかし、この時、抗菌薬に耐えられる耐性を持った少数派の細菌が、どんどん増えていく。
普段は少数派で、活躍する場もない、こういった少数派の耐性菌が多数派になってしまうということ。

そうなると、いざ本当に抗菌薬が必要な症状のとき、実際に抗菌薬を飲んでも効かなくなってしまって、場合によっては長期の入院、または命を落とす場合につながることもある。

抗菌薬は、必要な人にはもちろん必要だが、不要な人には悪い効果しかない。

薬剤耐性菌に対する対策としては、抗菌薬は、本当に必要な場合にのみ使うということが求められていて、医師から適切に処方されたものは、症状が改善したからといって、途中でやめるのではなく、最後まで指示通り服用することも、わたしたちにできる大切な心がけとなる。

また製薬会社も、耐性菌問題には、これからの社会のために取り組んでいる。

抗生物質は、すごく身近な存在だが、必要なときに必要な量を医師の処方通り飲むことが大切となる。