床下に埋められた5歳児の遺体 母親と同居人を逮捕

埼玉県本庄市の住宅で床下から5歳の男の子の遺体が見つかるという衝撃の一報から1週間。死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、柿本知香容疑者(30)、同居人の丹羽洋樹容疑者(34)と石井陽子容疑者(54)の3人。

死体遺棄の疑いで逮捕された柿本知香容疑者(30)(7日 寄居署)
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いずれも「ことし1月中旬ごろに男の子が死んでいまい、3人で穴を掘って埋めた」などと容疑を認めている。床下に埋められたのは、柿本容疑者の長男だった。

丹羽容疑者は石井容疑者と“内縁の夫婦”で、柿本容疑者は去年1月ころ、長男とともに丹羽容疑者らと一緒に住むようになったという。家主によると、そもそも、現場の住宅に、最初に住んでいたのは石井容疑者だという。

現場は近所でも評判の「不気味な家」

賃貸契約結んだ2010年当時、石井容疑者は別の男性と結婚していて、その親などと一緒に暮らしていたが、夫が死亡。その後、いつの間にか、丹羽容疑者が同居するようになったというのだ。

現場は、木造2階建ての古い家屋だ。雨戸は閉め切られ、窓は黒いシートに覆われていて、目張りまでされていた。柿本容疑者らは、ほとんど近所付き合いもせず、「不気味な家」と口にする近隣住民もいた。

現場の住宅では、窓は黒いシートに覆われ目張りまでされていた。

家主は、柿本容疑者がこの家に同居していることを知らず、このような事件が起きてしまったことで、「近隣の方々に申し訳ない。貸したことを後悔している」と複雑な心境を語った。

行きつけの店で1時間以上説教、その様子を撮影も

4人が複数回通っていた飲食店の店主は、去年9月に虐待を疑い、本庄市や長男が通う保育園に通報をしていた。店主によると、店内では、丹羽容疑者が、1時間以上、ねちねちと説教を続け、その間、柿本容疑者の長男は正座をさせられていたという。

注文したチャーハンにも手をつけず、じっとうつむいていた長男。驚くことに母親の柿本容疑者は、スマホでその様子を撮影していた。店に来るたびに同じような光景が繰り広げられたため、店主は、意を決して、4人の関係性や保育園の名前などを聞き出したという。

「長男は大阪の実家で元気」とウソの説明

通報を受けた本庄市は翌日、柿本容疑者と面会し、事実関係を問いただした。すると柿本容疑者は「息子が言うことをきかないので同居人に叱ってもらっている。身体的な暴力はない」などと事実関係を認めたという。

しかし柿本容疑者は「同居人に迷惑がかかる」として、現住所を明かさなかったそうだ。本庄市は、保育園からの聞き取りなどから、最終的に、虐待の兆候はないと判断したが、保育園側からはそれを否定する意見も出ていたという。本庄市の対応の是非は、今後検証されるべきだろう。

事件発覚のキッカケは、今年1月20日、柿本容疑者が、本庄市役所を訪れ「保育園を退園する」と届け出たことだった。柿本容疑者は、この時、本庄市の担当者に「長男は大阪の実家にいて元気」などと話していたというが、のちに、これはウソだったことが判明する。

本庄市が、保育園に確認したところ、長男が最後に登園したのは1月12日。この時点では、長男の様子に変わったところはなかったそうだ。2月8日、担当者が、再び連絡をとった際も、柿本容疑者は「大阪の実家で元気に生活している」と同様の虚偽説明を繰り返している。

容疑者の母「孫とは会ったことない」 ついに捜査開始

本庄市では、長男の”無事な”姿を現認していないことなどから、柿本容疑者の実家のある大阪府和泉市に照会をかけた。和泉市では、職員を実家に派遣。すると柿本容疑者の母親は「娘とは8年ほど会っていない。孫とも一度も会ったことがない」と話したという。

3月2日、これらの事実関係が、和泉市から本庄市に報告された。本庄市は、同日、埼玉県警本庄警察署に「母子家庭の子どもの安否確認ができない」と連絡。直ちに捜査が開始された。警察官が周辺の聞き込みなどを進め、すぐに柿本容疑者と長男が住むとされる住宅が特定された。

警察官が聞き込み捜査に着手すると、すぐに柿本容疑者らの居場所は特定されたという

この際、丹羽容疑者や石井容疑者と同居していることも判明する。当初、3人は「朝起きたら、急にいなくなった」などと説明していたが、その後「子どもを埋めた」と打ち明けたという。自供に基づき床下を調べたところ、3月5日、土の中から遺体が見つかったのだった。

捜査関係者は「まさに急転直下だった。捜査は始まったばかりで3人の詳しい関係性など、不明の部分もあるが、子どもが床下に埋められるという痛ましい事件であり、全容解明を急ぎたい」と語る。隔絶された空間で何があったのか、長男死亡の経緯など、今後の捜査に注目したい。

当初、3人は「朝起きたら、急に長男がいなくなった」と話していたという。

(フジテレビ社会部・埼玉県警担当 金子聡太郎)

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