「あったらいいな」を形に…
折りたためる両面ホットプレートに牛乳パックのまま作れるヨーグルトメーカー。
消費者の「あったらいいな」を形にするアイディア商品で注目を集めている「アイリスオーヤマ」。
20代で会社を立ち上げ、年間総売上高1420億円以上の大企業へと一代で築き上げた大山健太郎社長は、53年間に渡りアイリスオーヤマを牽引してきた。

椿原アナ:
「半世紀以上ですが振り返っていかがですか?」
大山社長:
「ちょうど30代の頭にオイルショックのリバウンドがあり、経営の本質を見直すというかたちで新しいメーカーベンダーというビジネスモデルを作ったり、常に新しいものづくりにチャレンジした。
まさにプロダクトアウトからユーザーインに変えた。
自分が消費者なんだと、消費者の代弁者という目線で自分の欲しいものを作る」
この、消費者の声を重視した商品開発が年間1000以上ものアイディア商品を続々生む土壌となった。
かゆいところに手が届く商品
例えば、IH炊飯器。
大山社長:
「IHコンロと炊飯器を一体化したものが最近のIH炊飯器なんですけど、分離したらどうなんだと、炊飯するときはそのままのかたちで、炊飯が終わったらIHコンロとして使えたらいいんじゃないかと考えると、同じ機能でありながら分割できる、まさに痒いところに手が届いた商品」

省スペースなうえ、最適な水量も自動で測れるというところが人気のポイント。
また、ハンズフリーの卓上型ドライヤーは、 ズボラな人にピッタリ。
大山社長:
「置くドライヤーだけは私は判断できなかった。使わないので。笑
社員から“30分ドライヤーしている間は何もできない”、と言われ、決断したら若い女性に非常に人気になりました」
チームプレイ
もともとは衣装ケースや園芸用品、ペット用品などホームセンターでよく見かける生活用品の製造卸業だったアイリスオーヤマだが、2009年に家電事業へ本格参入して以降、アイディア家電は大飛躍を遂げ、総売上のおよそ半分である660億円を家電が占めるまでになった。

一体どうすれば、このような商品が続々と生まれるのか?
アイディアが生まれる背景について大山社長は、「みんな集まって議論すると違う部署から、こうだああだと議論が出る。だからチームプレイ」と話す。
アイリスオーヤマを語る上で決して外せないのが、週に1度、社長や会社のキーマンを交えた企画会議。
社員が考えてきたアイディアをプレゼンし、一度に20~30ほどのアイディアが出されるなかで、開発に進めるべきかの判断をその場でジャッジしていくという。

大山社長:
「私が注意しているのは、開発者というのはどうしても自分のアイディアにのめり込むんです。車で言うと僕はブレーキを踏みながら、社員はどんどんアクセルを踏んでいく」
消費者目線で考える「あったらいいな」を具体化することがヒット商品を生み出すカギとなっていた。

(「プライムニュース α」5月28日放送分)